こや(小屋)

辞書 品詞 解説 例文 漢字
日本国語大辞典 名詞 ① 小さくて粗末な家。仮に建てた小さな家。陋屋(ろうおく)。かりごやおや 宇津保物語(970‐999頃)吹上下「小きこや作りて、こめ据ゑて、物食はせ、衣きせなどして養ふ」 小屋
② 雑物、家畜などをいれておく小さい建物。物置小屋。
③ 平安京の大路に設けられた衛府の役人の夜まわりの詰所。火焚屋(ひたきや) 〔十巻本和名抄(934頃)〕
④ ( 「…小屋」の形で ) 主な建物に付属して建てられた従者の住居。江戸時代では、藩主の藩邸または城中にあった軽輩の住宅。隣接する小住宅。 中右記‐寛治三年(1089)四月二三日「亥時許法興院焼亡、風大吹、近辺小屋人々小屋等多焼了」
⑤ ( 芝居が、はじめ仮設小屋で興行されたところから ) 芝居、見世物などの興行に使用する建物。劇場。 初すがた(1900)〈小杉天外〉五「宛然(まるで)劇場(コヤ)が鉢切れ相な騒ぎだってからね」
⑥ 家の屋根と天井の間の部分。あたま。 〔日本建築辞彙(1906)〕
⑦ 「こやぐみ(小屋組)」の略。
⑧ 非人の起居する粗末な小屋。非人小屋。 雑俳・柳籠裏(1783‐86)五月二八日「それみやあがれすぐに小屋へうせおろ」
⑨ 「こや(小屋)の者」の略。 歌舞伎・日月星享和政談(延命院)(1878)五幕「此子は、小屋(コヤ)の娘かえと呆れし思入」
⑩ 墓石をおおう屋形。墓石にかぶせる藁(わら)の覆い。野屋。
広辞苑 名詞 ①小さくて粗末な家屋。また、仮に立てた小さな建物。かりごや 「ほったて―」「鳥」 小屋
②芝居または見世物を興行する建物。
③江戸時代、藩主の藩邸または城中にあった藩士の住宅。
④京都の大路に設けられた衛府の官人の夜まわりの詰所。ひたきや
⑤屋根と天井との間の部分。
⑥新墓をおおっておく屋形。野屋。
大言海 名詞 (一)小サキ家。小サク、粗ナル家。陋屋 拾遺集、四、冬「蘆ノ葉ニ、隱レテ住ミシ、津ノ國ノ、こやモアラハニ、冬ハ來ニケリ」(地名ノ 昆陽 (コヤ)ニカケタリ) 小屋
(二)住宅ノ傍ニ設ケテ、雜物ヲ納レ置ク、小サキ建物。モノオキ
(三)假初ニ、相撲、芝居、見世物、ナド興行スルニ、設ケタル建物。今ハ、立派ナル建物トナレリ。
(四)小屋組ノ條ヲ見ヨ。

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最終更新:2024年08月10日 14:00