こる（凝）

辞書	品詞	解説	例文	漢字
日本国語大辞典	自動詞	① ばらばらになっていた同質のものが寄り集まって固まる。結びつく。集まって束になる。凝結する。凝固する。おしこる。	日本書紀（720）推古三五年五月（北野本訓）「蠅(はへ)有りて聚集れり。其凝(コリ)累(かさな)れること、とつよあまりばかり」	凝
		② 水が寒さのためにかたく固まって凍る。	日本書紀（720）允恭元年一二月（図書寮本訓）「季冬(しはすふゆ)の節(をり)、風亦烈(はけ)しく寒(さむ)し、大中姫(ひめ)の捧(ささ)げたる鋺(まり)の水溢(あふ)れて腕(たふさ)に凝(コレり)（〈別訓〉かひなにこる）」
		③ 一つのことに熱中して、そればかりを深く思い込む。いちずに思いこむ。傾注する。ふける。のぼせる。	洒落本・契情買虎之巻（1778）二「あんまりそのやうにこると、わづろふものだ」
		④ 工夫をこらす。意匠に心を用いる。	吾輩は猫である（1905‐06）〈夏目漱石〉九「気狂丈に大に凝ったものさ」
		⑤ 血行がとどこおり、筋肉が張ってかたくなる。	改正増補和英語林集成（1886）「ケンペキ カタガ koru(コル)」 われから（1896）〈樋口一葉〉一〇「ある時は婦女どもに凝(コ)る肩をたたかせて」
広辞苑	自動詞	①散り散りにある同質のものが一つに寄り固まる。ひと所に集まり寄る。凝結する。	神代紀上「其の矛の 鋒 (さき)より 滴瀝 (しただ)る潮―・りて一の島に成れり」。 源氏物語葵「女房三十人ばかりおし―・りて」	凝る
		②冷えて固まる。凍る。	万葉集1「 磐 (いわ)床と川の水―・り」。 名義抄「凍、コホル・コホリ・コル・サムシ・サユ・コヽヒタリ」
		③傾注する。熱中する。ふける。	「占いに―・る」
		④意匠などに工夫をほどこす。	「―・った料理」
		⑤筋肉が張ってかたくなる。	二葉亭四迷、其面影「肩が―・つたり腰が痛くなったりして」
大言海	自動詞	（一）｛寄リ、カタマル。一ツニアツマル。	神代紀、上 五 「處處小嶋、皆是、潮沬 凝成者矣 (コリテナレルナリ)」 「雲凝る」油凝る」肩ガこる」	凝
		（二）｛凍 (コホ)ル。凍	名義抄「凍、コル、コイタリ」
		（三）一途ニ、思ヒ込ム。一心ニナル。耽 (フケ)ル。耽 熱中	「學問ニ凝」 遊 (アソビ)ニ凝」
		（四）工夫ヲ込ム。 風 (フウ)ガハリノ意匠ヲコラス。	「此細工ハ、こッテ居ル」こッテハ思案ニ能ハズ」

動詞活用表
未然形	こら	ず、ゆ、る、む、じ、す、しむ、まほし
連用形	こり	たり、き、つ、ぬ、つつ、たし、ても
終止形	こる	べし、らし、らむ、ましじ、まじ
連体形	こる	も、かも、こと、とき
已然形	これ	ども
命令形	これ

検索用附箋：自動詞四段

附箋：四段 自動詞