ごつ

辞書 品詞 解説 例文 漢字
日本国語大辞典 他動詞 ( 「こと(言・事)」を活用させたもの )
言う。口に出して言う。
源氏物語(1001‐14頃)東屋「帝の御口づからこて給へるなり」
接尾辞 ( 四段型活用 )
① 「事す」の意。物事を行なう。する。
源氏物語(1001‐14頃)賢木「よはひの程よりは世をまつりごたむにも」
② 「言す」の意。物を言う。 大和物語(947‐957頃)一四八「『ひとりしていかにせましとわびつればそよとも前の萩ぞこたふる』となむひとりごちける」
[語誌]( 1 )[ 一 ]の用例としては挙例の「源氏物語」一例が知られるのみで、活用の異なる[ 二 ]と同列に扱うことの可否、後世の「ごてる」との関係の有無、待遇価値など必ずしも明らかでない。
( 2 )「かへりごと」「はかりごと」は、古くは「かへりこと」「はかりこと」と「こ」が清音であったところから、古くは「かへりこつ」「はかりこつ」と清音であったと考えられる。また古代の和語では語頭に濁音が来にくいところから、[ 一 ]も清音「こつ」である可能性がある。
広辞苑 自動詞 (「ごとす」の約。また「ごと(言・事)」を活用させた語ともいう。単独の「ごつ」は下二段。「…ごと」含む名詞が動詞化され、「…ごつ」が接尾語のようになる時は四段)
①ものを言う。
源氏物語橋姫「何くれとつきづきしく聞え―・つ事も」。
源氏物語東屋「こたみの(とう)は疑ひなく、帝の御口づから―・て給へるなり」。
「ひとり―・つ」
②物事をする。 「まつり―・つ」
大言海 接尾辞 〔ごとすノ約、四段活用ノ動詞態ヲナス〕
物事ヲナス意ヲアラハス語。
源、四十四、橋姬「何クレト、ツキヅキシク聞コエごつ事モ、(ルヰ)ニフレテ、多カレド」
同、二、帚木 十一 「哀レトモ、打チヒトリごたルルニ、何事ゾナド、アハツカニサシアフギ居タランハ」
同、同「賢シトテモ、一人二人、世ノ中ヲマツリごち、知ルベキナラネバ」
動詞活用表
未然形 ごて ず、らゆ、らる、む、じ、さす、しむ、まほし
連用形 ごて たり、き、つ、ぬ、つつ、たし、ても
終止形 ごつ べし、らし、らむ、ましじ、まじ
連体形 ごつる も、かも、こと、とき
已然形 ごつれ ども
命令形 ごてよ

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附箋:下二段 他動詞 接尾辞 自動詞

最終更新:2024年08月17日 15:02