さい(助動詞)

大言海
辞書 品詞 解説 例文 漢字
日本国語大辞典 ( 助動詞「さる」の命令形。四段・ナ変以外の動詞の連用形に付いて ) 軽い尊敬または親愛の意を持った命令を表わす。なさい。中世から近世にかけて用いられた。 歌謡・閑吟集(1518)「あまり言葉のかけたさに、あれ見さひなう、空行く雲の速さよ」
虎寛本狂言・素襖落(室町末‐近世初)「あの山見さい、此の山見さい。いただきやつれた小原木」
[語誌]( 1 )「ロドリゲス日本大文典」では、四段活用系の動詞に続く「い」と、一・二段活用系の動詞に続く「さい」とを組み合わせた形でとらえ、ともに低い敬意を示す命令のことばとして挙げている。
( 2 )室町時代後期の口語資料に同程度の敬意を示す命令表現として「い」とともに見られるが、中央語における衰退は早く、江戸時代初期には古い感じを伴い、老人言葉などとして現われ、その後も歌謡など、特殊な慣用的表現に用いられるにとどまる。
広辞苑 助動詞 (サルの命令形。四段・ナ変以外の動詞の連用形に付けて、軽い敬意を表す)…なさい。 狂言、素襖落「あの山見―、この山見―」

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最終更新:2024年08月18日 14:13