さす(残・中止)

辞書 品詞 解説 例文 漢字
日本国語大辞典 接尾辞 ( 四段型活用 )
① 他動詞の連用形に付いて、その動作を中途でやめる意を表わす。…しかける。…し残す。
伊勢物語(10C前)一〇四「見さしてかへり給ひにけりとなん」
打聞集(1134頃)公野聖事「汝前生に此経を書奉りしに書さして死也」
② 自動詞の連用形に付いて、その動作が中途でやんだままの状態であることを表わす。…し残る。…しかかる。 源氏物語(1001‐14頃)宿木「さてもいつばかり思い立つべきにか〈略〉と、心とりに聞え給へば、しばし入りさして」
広辞苑 他動詞 (他の動詞の連用形に付けて用いる)
①中途でやめる。し残す。中止する。
源氏物語柏木「いみじうわななけば、思ふことも皆書き―・して」。
「言い―・してやめる」
止す
②(自動詞に添えて)物事が中途まで進んだ状態にとどまる。 源氏物語常夏「おもしろき梅の花のひらけ―・したる朝ぼらけ」
大言海 他動詞 (サシオ)く意ニモアルベキカ〕
()(ノコ)ス。半途ニテ、止ムル。此語、熟語トシテノミ用ヰラル、獨立シテ現ハレタルヲ見ズ。
源、三十八、夕霧「六條院ニ、承リさしタル事、侍リシホドニ」
同、三十六、橫笛 十二 盤涉調 (バンジキテウ)(ナカラ)バカリ、吹キさしテ」
枕草子、二、廿段「爲さすマジキ事ノ、今日、(スグ)スマジキヲ、打チオキテ」
殘・中止
自動詞トモナル。殘ル。 伊勢集、下「イトマダキ、過ギヌル秋ノ、形見ニテ、枝ニ紅葉ゾ、散リさしニケル」
倭訓栞、さすが「 爲殘 (シノコ)すヲ、しさすト云ヒ、言殘すヲ、いひさすト云ヒ、云云、源氏ニ、尾花ノコトヲ云フニ、まだ穗に出でさしたるト見エタリ、伊勢物語ノ、見さす、言ひさすヲ、眞名本ニ、殘ノ字ヲ塡タリ」
雅言集覽「さす、中止ノ意」
動詞活用表
未然形 ささ ず、ゆ、る、む、じ、す、しむ、まほし
連用形 さし たり、き、つ、ぬ、つつ、たし、ても
終止形 さす べし、らし、らむ、ましじ、まじ
連体形 さす も、かも、こと、とき
已然形 させ ども
命令形 させ

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附箋:他動詞 四段 接尾辞

最終更新:2024年09月04日 21:24