さぶ(然)

辞書 品詞 解説 例文 漢字
日本国語大辞典 接尾辞 ( 上二段型活用 ) 「山、神、うまびと、おきな、をとめ」等の名詞に付いて、そのものらしくふるまう、いかにもそのものらしい姿にあるの意を表わす。 万葉集(8C後)二・九六「み薦(こも)刈る信濃の真弓吾が引かばうま人佐備(サビ)ていなと言はむかも」
伊勢物語(10C前)一一四「翁さび人なとがめそ狩衣けふばかりとぞ鶴(たづ)も鳴くなる」
[補注]「ぶ」は「都ぶ・おとなぶ・おきなぶ」のような、「らしくなる」意の「ぶ」と、「さ」は状態を表わす「かなしさ・たのしさ・さやけさ・はるけさ」等の「さ」と関係があろう。
広辞苑 接尾辞 名詞に付いて、上二段活用の動詞をつくる。そのものらしい態度・状態だ。…らしくなる。…のようだ。「秋さぶ」「神さぶ」の類。
大言海 自動詞 然帶 (サオ)ぶノ約ナルベシ( 稻置 (イナオキ)、いなぎ。 馬置 (ウマオキ)、うまき)(ミヤ)び、(ヒナ)ぶモ、(ミヤ)()び、(ヒナ)()ぶノ約ナリト思フ、翁さぶ、 少女 (ヲトメ)さぶハ、 翁然 (オキナゼン) 少女然 (セウヂヨゼン)(學者然、君子然)ノ意〕
他語ノ下ニ、熟語トナリテ、其 氣色 (ケハヒ)ありノ意ヲ成ス語。めくト云フニ同ジ。神さぶ、翁さぶ、 貴人 (ウマビト)さぶ、 少女 (ヲトメ)さぶ、ナド、皆、神めく、翁めくナドノ意ナリ。
萬葉集、二 十二 「宇眞人佐備テ、(イナ)ト言ハムカモ」
同、廿 廿九 (ナニ) 浪門 (ハト)ヲ、漕ギ出テ見レバ、(カミ) 佐夫流 (サブル) 伊駒高嶺 (イコマタカネ)ニ、雲ゾタナビク」
動詞活用表
未然形 さび ず、らゆ、らる、む、じ、さす、しむ、まほし
連用形 さび たり、き、つ、ぬ、つつ、たし、ても
終止形 さぶ べし、らし、らむ、ましじ、まじ
連体形 さぶる も、かも、こと、とき
已然形 さぶれ ども
命令形 さびよ

検索用附箋:自動詞上二段
検索用附箋:接尾辞

附箋:上二段 接尾辞 自動詞

最終更新:2024年09月15日 21:46