さら(更)

辞書 品詞 解説 例文 漢字
日本国語大辞典 形容動詞 ① ( 多く「言えば」「言うも」に付けて用いる ) いまさらめいたさま。わざとらしいさま。 蜻蛉日記(974頃)上「身の秋をおもひみだるる花の上に内のこころはいへばさらなり」
増鏡(1368‐76頃)三「殿・上思し惑ふさま、悲しともいへばさらなり」
② ( 「言えばさら」「言うもさら」の略 ) いうまでもないさま。当然であるさま。 蜻蛉日記(974頃)下「風ふきて、ひさしううつりゆくほどに、とりすぎぬ。『さらなれば』とてかへる」
栄花物語(1028‐92頃)かがやく藤壺「姫君の御有様さらなる事なれど」
副詞 全く。まるで。いっこう。 虎明本狂言・脇狂言之類序(室町末‐近世初)「このかき物さらたにんのみるべきものにあらず」
[補注]( 1 )平安時代においては、類似の「いふもおろかなり」が「いふも」「いへば」を伴うのが普通であるのに対し、「さらなり」ではこれを脱落させた用法の方が圧倒的に多い。
( 2 )[ 二 ]の用法は近世頃から生じたものであるが、陳述副詞化した「さらに」の「に」が落ちたものである。
広辞苑 (「いへば―なり」の形で用い、もしくは「いへば―なり」を略した言い方として)いうまでもない。もちろん。 蜻蛉日記下「いといかめしうののしるなどいへば―なり」。
枕草子1「夏は夜。月の頃は―なり」
大言海 副詞 さらにノ條ヲ見ヨ。

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附箋:副詞 形容動詞

最終更新:2024年09月21日 21:23