ざり(不)

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日本国語大辞典 助動詞 ( 活用は、「ざら・ざり・(ざり)・ざる・ざれ・ざれ」 ) 打消の助動詞「ず」の連用形に動詞「あり」が融合したもの。「ず」の補助活用とされる。動詞、助動詞の未然形に付く。 万葉集(8C後)一五・三七七五「あらたまの年の緒長く逢は射礼(ザレ)ど異しき心を吾が思(も)はなくに」
今昔物語集(1120頃か)三「然れば汝等強(あながち)に焼き奉らむ事不思ざれ」
徒然草(1331頃)一三七「都の中に多き人、死なざる日はあるべからず」
一握の砂(1910)〈石川啄木〉「はたらけど はたらけど猶わが生活(くらし)楽にならざり ぢっと手を見る」
[語誌]未然形、連用形は他の助動詞への連接の場合に用いられ、命令形の命令法とともに、「ず」の用法を補っている。終止形「ざり」は普通用いられない(挙例の啄木の歌は例外的)。連体形「ざる」と已然形「ざれ」とは、普通漢文訓読系統のものに用いられ、和文系統の連体形「ぬ」、命令形「ね」に対応している。連用形「ざり」は、「き」「けり」につづくほか、中世には「て」「た」にも連なるようになり、「り」が促音化した「ざっし」「ざった」なども生じた。
広辞苑 助動詞 (打消の助動詞ズに動詞アリの付いたズアリの約。活用は付録「助動詞活用表」参照)打消の意を表す。 伊勢物語「え聞かざりけり」
大言海 助動詞 助動詞ノずト、動詞ノありト、(ツヅマ)レル語。 萬葉集、十一「大船ノ、香取ノ海ニ、碇オロシ、(序)如何ナル人カ、物 不念有 (オモハザラム)
「打タざり」受ケざる」()ざれバ」

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最終更新:2024年09月29日 16:13