しく(頻・重)

辞書 品詞 解説 例文 漢字
日本国語大辞典 自動詞 動作がしばしば繰り返される。たび重なる。しきりに…する。しきる。
① ひっきりなしに…する。また、一面に…する。多く補助動詞のように用いる。
万葉集(8C後)一八・四〇九三「英遠(あを)の浦に寄する白波いや増しに立ち之伎(シキ)寄せ来(く)東風(あゆ)をいたみかも」
古今和歌集(905‐914)雑下・九四六「しりにけんききてもいとへ世の中は浪のさわぎに風ぞしくめる〈布留今道〉」
② 波があとからあとから寄せる。 万葉集(8C後)一一・二七三五「住吉(すみのえ)の岸の浦回(うらみ)に布(しく)浪(なみ)のしくしく妹を見むよしもがも」
③ 草木が繁茂する。また、開花する。 万葉集(8C後)三・二六一「やすみしし 吾が大君 高照らす 日の皇子 茂(しき)座(いま)す 大殿の上(うへ)に」
広辞苑 自動詞 動作がしばしばくりかえされる。事が重なって起こる。しきる。 万葉集20「新しき年の始の初春の今日ふる雪のいや―・け 吉事 (よごと)」。
古今和歌集雑「世の中は浪のさわぎに風ぞ―・くめる」
頻く
大言海 自動詞 動作ガ、屢、繰リカヘサルル。繼ギ、重ナル。シキル。 名義抄「連、シク、シキリ」
古今集、十八、雜、下「波ノサワギニ、風ゾしくメル」
後撰集、六、秋、中「白露ニ、風ノ吹キしく、秋ノ野ハ」
萬葉集、九 十六 「磯越ス浪ノ、(シキ)テシ思ホユ」
續拾遺集、六、冬「彌しき降レル、夜ノ白雪」
頻・重
動詞活用表
未然形 しか ず、ゆ、る、む、じ、す、しむ、まほし
連用形 しき たり、き、つ、ぬ、つつ、たし、ても
終止形 しく べし、らし、らむ、ましじ、まじ
連体形 しく も、かも、こと、とき
已然形 しけ ども
命令形 しけ

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附箋:四段 自動詞

最終更新:2024年10月06日 15:49