しく(若・如・及)

辞書 品詞 解説 例文 漢字
日本国語大辞典 自動詞 ① 先行しているものに追いつく。到り及ぶ。 古事記(712)下・歌謡「山城に い斯祁(シケ)鳥山 い斯祁(シケ)い斯祁(シケ) あが愛妻(はしづま)に い斯岐(シキ)会はむかも」 及・若・如
② 程度の上のものに匹敵する。肩を並べる。 日本書紀(720)顕宗即位前(図書寮本訓)「豈名を顕して殺されむに若(シカ)むや」
万葉集(8C後)五・八〇三「銀(しろがね)も金(くがね)も玉もなにせむにまされる宝子に斯迦(シカ)めやも」
或阿呆の一生(1927)〈芥川龍之介〉一「人生は一行のボオドレエルにも若(シ)かない」
広辞苑 自動詞 距離を隔てたものの後を追って対等に並ぶ意。
①(同じ位置に)追いつく。到りつく。
古事記下「山城にい―・け鳥山い―・けい―・けわが()し妻にい―・きあはむかも」。
万葉集2「後れゐて恋ひつつあらずは追ひ―・かむ道のくまみにしめ結へわが()
如く・若く・及く
②及ぶ。肩をならべる。匹敵する。 万葉集9「今日の日にいかにか―・かむ筑波嶺に昔の人の来けむその日も」。
「子を見ること親に―・かず」「酒に―・くものはない」
大言海 自動詞 (一)及ブ。トドク。肩ヲ、(ナラ)ブ。 古事記、下(仁德)「山城ニ、伊斯祁(命令形、伊ハ、發語)鳥山(人名)、伊斯祁伊斯祁、吾ガ 愛妻 (ハシヅマ)ニ、伊斯岐逢ハムカモ」
神代紀、上 十三 「伊弉諾尊、追伊弉册尊、入於黃泉而、 及之 (シキテ)共語」
雄略紀、十三年三月「烏玉ノ、甲斐ノ黑駒、 鞍着 (クラキ)セバ、 伊志柯 (イシカ)ズアラマシ、甲斐ノ黑駒」
新古今集、一、春、下「朧月夜ニしくモノゾナキ」
若・如・及
(二)似テヰル物ニ、追ヒツク。後ヨリ續キテ、重ナル。 古事記、上 十三 (ヨリ)其追欺伎斯而、號道敷太神
萬葉集、二 十五 「後レ居テ、戀ヒツツアラズハ、 追及 (オヒシカ)ム、道ノ 隈囘 (クマミ)ニ、(シメ)結ヘ吾ガ()
仁德紀、四十年三月「( テ)( ニ)(シカ)、卽殺」
動詞活用表
未然形 しか ず、ゆ、る、む、じ、す、しむ、まほし
連用形 しき たり、き、つ、ぬ、つつ、たし、ても
終止形 しく べし、らし、らむ、ましじ、まじ
連体形 しく も、かも、こと、とき
已然形 しけ ども
命令形 しけ

検索用附箋:自動詞四段

附箋:四段 自動詞

最終更新:2024年10月06日 16:09