しも(助動詞)

大言海
辞書 品詞 解説 例文 漢字
日本国語大辞典 助動詞 ( 活用→語誌( 1 )。四段・ナ変動詞の未然形に付く ) 尊敬の意を表わす。主として室町時代に用いられた。一、二段活用型の活用語には「さしも」が用いられる。 漢書列伝竺桃抄(1458‐60)賈誼第一八「顧成之庿は生れていらしも時の生庿ぞ」
史記抄(1477)一二「今日の御出がをそく御出あると云て、死なしまうたと不思が臣子の道の心ぞ」
[語誌]( 1 )活用形には、(未然)しも・しま、(連用)しも・しもう・しむ、(終止・連体)しも・しもう・しむ、(已然)しまえ、(命令)しめ・しまえ、が見られ、「しも」の系列と「しむ」の系列があるが、これらは、同様の用法をもつ。「しまう・しもう」(連用・終止・連体形「しま(も)う」音便形「しまっ」、命令形「しまえ」)と合わせ考えると、室町時代の口語における語形変化を反映したもので、シマウ→シモウ→シモ→シムのように変化したものとみられる。
( 2 )「しも」と「しむ」については、「漢書抄」「史記抄」など初期の抄物ではほとんど「しも」に限られているのに対して、後期の抄物では「しむ」が優勢になっている。室町時代末期には命令形「しめ」のみが存続した。
広辞苑 助動詞 (室町時代の語。シムルの転ともセタマフの転ともいう。活用は特殊型)四段・ナ変動詞の未然形に接続して、尊敬の意を表す。…なさる。→さしも 史記抄「斉王は張儀をにくましめども」

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最終更新:2024年10月20日 22:35