しる(被知)

辞書 品詞 解説 例文 漢字
日本国語大辞典 自動詞 ① ( 「知る」に対する受身・使役形で、「他人の知るところとなる」の意を、消極的には受身として、積極的には使役として表現したもの ) 知られる。また、知らせる。わからせる。 万葉集(8C後)八・一四四六「春の野にあさる鴙(きぎし)の妻恋に己(おの)があたりを人に令知(しれ)つつ」
② ( 「知る」に対する自発・可能形 ) 知ることができる。自然にわかる。 虎明本狂言・犬山伏(室町末‐近世初)「一どにてはしれぬ、ま一どあひいのりにいのらふ」
浮世草子・好色一代女(1686)五「女はしれぬ仕合のある物にて」
広辞苑 自動詞 ①おのずと知る、または知られた状態に至る。 狂言、六地蔵「都の様子を見るに、知らぬ事は呼ばはつて通ると、―・れると見えた」。
「お里が―・れる」「得体が―・れない」「高が―・れる」
知る
②人に知られるようにする。知らせる。 万葉集8「春の野にあさる(きぎし)の妻恋ひに己があたりを人に―・れつつ」。
拾遺和歌集恋「恋すてふわが名はまだきたちにけり人―・れずこそ思ひそめしか」
③(「…かも―・れない」の形で)その可能性もあることを示す。 「来るかも―・れない」
④(不定詞に続けて「…か―・れない」の形で)言い表しがたいほどの甚だしさを示す。 「どんなに嬉しかったか―・れない」
大言海 動詞 知らる(受身相動詞)ノ約。他ノ知ルコトトナル。口語ニ、しれる。 萬葉集、八 十九 「春ノ野ニ、 求食 (アサ)ル雉子ノ、妻戀ニ、己ガ(アタリ)ヲ、人ニ 令知 (シレ)ツツ」
伊勢物語、第五段「人知れヌ、我ガ通路ノ、關守ハ」
拾遺集、十一、戀、一「人知れズコソ、思ヒ初メシカ」
六百番歌合、春「忍ビ餘リ、人ニ知れツツ、鳴ク 雉子 (キギス)
被知
動詞活用表
未然形 しれ ず、らゆ、らる、む、じ、さす、しむ、まほし
連用形 しれ たり、き、つ、ぬ、つつ、たし、ても
終止形 しる べし、らし、らむ、ましじ、まじ
連体形 しるる も、かも、こと、とき
已然形 しるれ ども
命令形 しれよ

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附箋:下二段 自動詞

最終更新:2024年10月27日 16:39