辞書 | 品詞 | 解説 | 例文 | 漢字 |
---|---|---|---|---|
日本国語大辞典 | 名詞 |
(動詞「でる(出)」の連用形の名詞化) ① ある限られた場所からその外へ進み動くこと。また、出かけること。多く「船出」「門出」など他の語と複合して用いる。 |
※西洋道中膝栗毛(1874‐76)〈総生寛〉一二「なる程この口の潮のやうに入るばかりで出(デ)がなけりゃアマア上策(むめへ)理屈ですが」 | 出 |
② (隠れていたものや、なかったものなどが)表に現われること。 |
「日の出」 ※偸盗(1917)〈芥川龍之介〉六「その窓から、遠い月の出を眺めてゐる」 |
|||
③ 出勤すること。また、芸者がお座敷に行くことやその時の着物もいう。 |
「午後からの出」 ※油地獄(1891)〈斎藤緑雨〉二「此芸妓が〈略〉其時まだ『出(デ)』の姿で居た」 ※妻隠(1970)〈古井由吉〉「それとも今日は日曜でも出なのかい」 |
|||
④ 役者や芸人などが、舞台や高座に出てゆくこと。出演の場面。 | ※雑俳・柳多留‐一五(1780)「出があるに早くと馬のあしをよび」 | |||
⑤ 物事のやりはじめ。特に、書きはじめ、話しはじめ、歌いはじめなど。 |
※恋慕ながし(1898)〈小栗風葉〉一三「高く浪花節の出(デ)の如く引張って」 ※吾輩は猫である(1905‐06)〈夏目漱石〉二「『新年の御慶目出度申納候。…』いつになく出が真面目だ」 |
|||
⑥ 人や物事の現われる状態やぐあい。 |
「お茶の出が悪い」 ※人情本・春色恋白波(1839‐41)二「今日は天気は能し、遊人(デ)が多からふから」 ※それから(1909)〈夏目漱石〉九「今年は芍薬の出(デ)が早いとか」 |
|||
⑦ 物の出どころ。出所や産地。 | ※滑稽本・浮世風呂(1809‐13)四「わっちらが持て来るものは、本の事たが、出(デ)が違はア」 | |||
⑧ その人の生地、家柄、出身校、元の身分など。「中学出」「下町出」など他の語と複合しても用いる。 | ※真景累ケ淵(1869頃)〈三遊亭円朝〉五四「立振舞から物の言ひ様、裾捌まで一点の申分のない女ですから、〈略〉是は定めし出の宜しい者だらうと」 | |||
⑨ 分量やかさが多く感じられる状態。また、時間や労力を多く要するように感じられる状態。「書き出」「読み出」など他の語と複合しても用いる。 |
※雑俳・松の雨(1750か)「命には扨もでの有佐世の山」 ※倫敦消息(1901)〈夏目漱石〉一「西洋の新聞は実にでがある。始から仕舞まで残らず読めば五六時間はかかるだらう」 |
|||
⑩ 建築物で突出している部分。また、その寸法。 | 「軒ので一尺五寸」 | |||
⑪ 歌舞伎の芝居小屋で、平土間よりは一段高く、下桟敷よりは低く前に出ている座席。高土間。でまご。 | ※浄瑠璃・替唱歌糸の時雨(1782)上ノ口「どうでよい桟敷は厶りますまい、出を取りに遣りましょかい」 | |||
⑫ 囲碁で、相手の勢力圏や要所に石をのび出させる手。 | ※雪中梅(1886)〈末広鉄腸〉下「『マア喧譁をせずに、出(デ)と打たう』『サアこれで切れた。一隅みな死んだ。モウ恢復の望みはあるまい』」 | |||
⑬ 楊弓、大弓で、金銭を賭け物にする時、六銭をいう。 | 〔随筆・一話一言(1779‐1820頃)〕 | |||
広辞苑 | 名詞 | ①㋐出ること。出る状態。出ぐあい。 | 「日の―」「船―」「―ぞめ式」「―を待つ」「水の―が悪い」「人―が多い」 | 出 |
㋑はじめのところ。でだし。 | ||||
②出身。 | 「名門の―」「大学―」 | |||
③物の突き出た所。 ㋐建築物の張り出した部分。 |
「 |
|||
㋑船の |
||||
④(多く動詞の連用形に付いて)分量。かさ。また、その物事をするのに費やす時間・労力。 | 「読み―がある本」「使い―がない金額」「―のある料理」 | |||
大言海 | 名詞 |
(一) |
「水ノ出」人ノ出」 | 出 |
(二)物ヲ用ヰテ盡キ難キコト。 |
「出ガ無イ」出ガアル」 |
検索用附箋:名詞動作