辞書 | 品詞 | 解説 | 例文 | 漢字 |
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日本国語大辞典 | 助詞 | (断定の助動詞「なり」の連用形「に」に助詞「て」の付いた「にて」の変化したもの) 後に、断定の助動詞「だ」の活用に組み込まれて、連用形として、連用中止形に用い、また、「ある」「ない」「あります」「ございます」などに続けて用いる。 |
※今昔(1120頃か)四「今の后は継母でぞ有りける」 ※虎寛本狂言・末広がり(室町末‐近世初)「去ればこそ田舎者で、何をも存ぬ」 |
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広辞苑 | 助詞 |
(助詞ニとテが接合してつづまったもの) [一]〔助詞〕 ➊(格助詞)平安時代以後用いられ、室町時代「にて」にとって代わった。主として体言に付く。 ①動作の行われる所・時・場合を示す。…において。 |
史記抄「吾君のいられた前―吾を叱し事は何事ぞ」。 天草本平家物語「年五十八―死なれてござる」。 「来年の大会はわが県―行われる」「家の中―遊ぶ」 |
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②手段・方法・道具・材料を示す。…でもって。 |
輔親集「ある女の許に又ある女の許より錦を紙― 平家物語12「下臈なれば太刀長刀―こそ敵をば打て」。 浄瑠璃、女殺油地獄「お 「木と紙―できた家」「ペン―書く」「ラジオのニュース―事件を知った」 |
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③理由・原因を示す。…によって。…なので。 |
平家物語5「奏聞しけれども御遊の折節―聞こし召しも入れられず」。 いろは文庫「寒さ―思ふ様に渡世も出来ない」。 「かぜ―休む」「火事―すべてを失う」 |
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④事を起こした所を示す。 | 「組合―決めた事」「君の方―答えてくれ」 | |||
⑤身分・資格を表す。…として。 | 史記抄「此の母―言たはよいが妻―言たらば妬て言たであらうぞ」 | |||
⑥事情・状態を表す。 |
東海道中膝栗毛2「ナントきた八、一文なし―出かけよふ」。 「いいかげんな気持―言ったのではない」 |
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⑦期限・範囲を表す。 | 「明日―公演は終りです」「野球は9人―1チームだ」 | |||
⑧配分の基準を示す。 | 「1時間―4キロ歩く」 | |||
➋(接続助詞)江戸時代に多く用いられ、原因・理由を表す。活用語、特に助動詞「た」に付くことが多い。…ので。…から。現代語では、くだけた雰囲気での会話に用いる。 |
浄瑠璃、心中二つ腹帯「お暇が出た―、去にまする」。 浮世風呂2「よく流してくれた―、さつぱりしました」。 「ちょっと出かけて来る―、頼むよ」 |
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[二](口語では助動詞「だ」の連用形とする)「ある」「ない」などを伴って指定の意を示す。…の状態で。 |
平家物語1「偏に女御の様―ぞましましける」。 天草本伊曾保物語「この 「吾輩は猫―ある」 |
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大言海 | 天爾遠波 | にてノ約轉。其條ヲ見ヨ。 |
平家物語、一、妓王事「今生 物ヲオモハスルダニアルニ、後生 サヘ惡道ヘオモムカンズル事ノカナシサヨ」 著聞集、五、和歌「紙屋紙ニタテブミ 使ニカヘシタビテ」 「筆で書ク」二人で行ク」何でアル」 |
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