すぐ(直(名詞))

辞書 品詞 解説 例文 漢字
日本国語大辞典 形容動詞 まっすぐで曲がっていないさま。
① ものが図形的に直線的で曲がっていないさま。
平仮名古活字三巻本宝物集(1179頃)中「麻の中の蓬は、撓(た)めざるにすぐなり」
② 比喩的に、まっすぐで、曲がっていないさま。
(イ) 心がまっすぐで正しいさま。すなお。正直。
浜松中納言物語(11C中)三「おほやけの御ため、すぐならぬうれへをおひ給ひて」
夜明け前(1932‐35)〈島崎藤村〉第一部「古代の人に見るやうなあの直(ス)ぐな心は」
(ロ) 政治や世の中などが公平で正しいさま。 新後撰和歌集(1303)雑中・一四三五「梓弓心のひくにまかせずは今もすぐなる世にやかへらん〈平宗宣〉」
(ハ) 倫理的に正しいさま。 どちりなきりしたん(一六〇〇年版)(1600)七「すぐなるだいもくありとても、ゆみやをとるべからず」
(ニ) 物事のでき具合、姿が、まっすぐで正しいさま。 古今連談集(1444‐48頃)下「いかなる人も堪能の座に身を置かずしてはすぐなる方に入がたし」
③ やり方に曲折がなく、まっすぐなさま。
(イ) やり方に変化が少なく、自然で、すなおなさま。いやみのないさま。
風姿花伝(1400‐02頃)六「すぐなる能には〈略〉音曲の懸りだに確やかならば、これよかるべし」
(ロ) 変化を加えず、ありのままのさま。そのまま。 平家物語(13C前)二「すぐにしらせ奉てはあしかりなんとやおもひけむ」
(ハ) 簡単で手間がかからないさま。通り一遍なさま。多く、打消の形で用いる。 浄瑠璃・本朝二十四孝(1766)一「村上左衛門義清直(スグ)では行かぬ頬(つら)魂」
副詞 ( 「と」「に」「の」「から」を伴って用いることもある。→すぐとすぐに )
① 時間を置かないさまを表わす。ただちに。即刻。
浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉一「一口いふ二口目にゃ速(ス)ぐ悪たれ口だ」
② 距離を置かないさまを表わす。 門三味線(1895)〈斎藤緑雨〉五「店から直(ス)ぐの梯子を登れば」
③ 間にほかのものをはさまないさまを表わす。直接。じか。→すぐに② 薄明(1946)〈太宰治〉「その男の子のすぐ上の姉で」
広辞苑 名詞 ①まっすぐで、まがっていないこと。 新後撰和歌集雑「 梓弓 (あずさゆみ)心のひくにまかせずは今も―なる世にやかへらむ」 直ぐ
②ただしいこと。正直。 狂言、末広がり「これは洛中を走り廻る心も―にない者でござる」
副詞 ①時間をおかないさま。ただちに。さっそく。 「―参ります」「もう―春だ」「―腹を立てる」
②距離をおかないさま。ごく近く。 「―近くの家」
大言海 名詞 ソノママナルコト。マスグナルコト。轉ジテ、曲ラヌコト。垂直。 賴政集、春「引渡ス、大原山ノ、橫霞、すぐニ昇ルヤ、烟ナルラム」
徒然草、六十二段、平假名ノしノ字ヲ、歌ニ「すぐナ文字」
「すぐナル道」

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最終更新:2024年11月04日 21:39