すふ

辞書 品詞 解説 例文 漢字
日本国語大辞典 他動詞 ① 気体、液体を口、または鼻から体内に引き入れる。 新訳華厳経音義私記(794)「子盍反、入口曰𠯗 倭言須布(スフ) 脣口也」
大慈恩寺三蔵法師伝永久四年点(1116)五「象乃し水を吸(スフ)て樹に灌きて、牙を以て排ひ掘る」
② しみ込ませて取る。吸収する。 戯作三味(1917)〈芥川龍之介〉一五「燈心の油を吸ふ音が〈略〉空しく夜長の寂しさを語ってゐる」
③ 引き寄せる。引き付ける。引き込む。 播磨風土記(715頃)賀毛「修布と号くる所以は、此の村に井あり。一の女、水を汲み、即(やが)て吸(すひ)没(い)れられき」
小学読本(1873)〈榊原芳野〉一「磁石〈略〉其性鉄を吸ふ」
④ 金銭や利益などを、他から集め取る。しぼり取る。 虎明本狂言・粟田口(室町末‐近世初)「ゆききの人にとうまのぜう、たちもかたなもすはれたり」
⑤ タバコをのむ。 義血侠血(1894)〈泉鏡花〉二三「吸(スヒ)窮(つ)めたる巻煙草を車の外に投棄て」
⑥ 接吻する。口づけをする。口吸う。 サントスの御作業の内抜書(1591)二「サモ ナツカシゲニ ヲン カヲ ヲ sui(スイ)タマイ」
広辞苑 他動詞 ①気体や液体を鼻や口を通して体内へ引き入れる。 日葡辞書「シルヲスウ」。
「タバコを―・う」
吸ふ
②水気を他から吸収する。 日葡辞書「クモ(雲)ハミヅヲスイアゲテアメトナス」。
「湿気を―・う」
③引きよせる。引きつける。 〈霊異記上訓釈〉
大言海 他動詞 〔音ヨリ云フ、沖繩ニテ、すぶる、()くニ對ス〕
(一){氣ト共ニ、口ヘ引キ入ル。ススル。
土佐日記、正月元日「タダ、押鮎ノ口ヲノミゾすふ」
沙石集、二、下、第九條「大蛇、云云、苦ヲ忍ビテ、皮ヲ剝ガル、蟲多クすひ食フニ」
靈異記、上、廿八緣「(スヒ) 噉於 ()性之氣
「汁ヲすふ」煙草ヲすふ」
(二)吸ヒ取ル。 「膿ヲすふ」血ヲすふ」
(三)()ミコマス。吸收 「地、水ヲすふ」
(四){引キ寄ス。 靈異記、上、序「尅( ヲ)( ルコト)( ヲ)、過 石於 ()( テ)( ヲ)(ヨリモ) 上レ ( ヲ)」訓「礠擧噓、須不與リ毛」
「磁石、鐵ヲすふ」
動詞活用表
未然形 すは ず、ゆ、る、む、じ、す、しむ、まほし
連用形 すひ たり、き、つ、ぬ、つつ、たし、ても
終止形 すふ べし、らし、らむ、ましじ、まじ
連体形 すふ も、かも、こと、とき
已然形 すへ ども
命令形 すへ

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附箋:他動詞 四段

最終更新:2024年11月17日 15:51