せと(迫門・瀬戸)

辞書 品詞 解説 例文 漢字
日本国語大辞典 名詞 ① ( 「せど」とも。「せ」は「狭(せ)」と同源か。「と」は、両側からはさまれて狭くなっている所の意 ) 狭い海峡。両方から陸地がせまっている小さな海峡。また、川の瀬の幅が狭くなった所。 日本書紀(720)神代下・歌謡「天離る 鄙つ女の い渡らす西渡(セト) 石川片淵 片淵に網張り渡し 目ろ寄しに 寄し寄り来ね 石川片淵」
義経記(室町中か)四「和田の岬を漕ぎ過ぎて淡路のせとも近くなる」
瀬戸
② 「せとぎわ(瀬戸際)」の略。 絅斎先生敬斎箴講義(17C末‐18C初)「禽獣と人と違た瀬戸をせり詰て見れば、此の心が有る、此の身次第にする、たった二つの間じゃに因て」
五重塔(1891‐92)〈幸田露伴〉三三「死ぬか生きるかの瀬戸(セト)に乗かかる時」
③ 「せともの(瀬戸物)」「せとやき(瀬戸焼)」などの略。 御伽草子・酒茶論(古典文庫所収)(室町末)「中つぎに、せとの丸つぼ、ぶんりん」
妻(1908‐09)〈田山花袋〉一九「大きな丸い陶器(セト)の火鉢に桜炭が半ば熨になって」
広辞苑 名詞 (「()()」の意)
①幅の狭い海峡。潮汐の干満によって激しい潮流を生ずる。
万葉集12「室の浦の―の崎なる 鳴島 (なきしま)の」 瀬戸
「せとぎわ」2の略。 「生死の―に立つ」
大言海 名詞 (一){海中ノ潮瀨ノ通路。多クノ船ノ、行通ヒニ、落合フ所。又、海ノ、陸地、或ハ、島山ノ閒ニ(セマ)リテ、通フ處。海峽 神代紀、下長歌「(ヒナ)()ノ、イ渡ラス 西渡 (セト)、石川片淵」
萬葉集、三 十五 隼人 (ハヤヒト)ノ、薩摩ノ迫門ヲ」
同、六 廿二 隼人 (ハヤヒト)ノ、 湍門 (セト)(イハホ)モ」
同、十二 三十六 「室ノ浦ノ、湍門ノ崎ナル」
同、十六 廿七 「角島ノ、迫門ノ 若布 (ワカメ)ハ」
迫門・瀨戶
(二)せともの(瀨戶物)ノ略。 「せとノ火鉢」
(三)せとぎ ()(瀨戶際)ノ略。 生玉心中(正德、近松作)中「タッタ僅カ、一貫目餘リノ銀ノ瀨戶ヲ、越シカネテ」

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最終更新:2024年12月07日 13:20