そむ(染(自動詞))

辞書 品詞 解説 例文 漢字
日本国語大辞典 自動詞 ① 他のものにしみ込んだり付着したりすることによって、色を出す。また、他のものがしみこんだり付着したりして、色が変わる。染まる。 古今和歌集(905‐914)雑体・一〇一〇「きみがさすみかさの山のもみぢばのいろ かみな月しぐれの雨のそめるなりけり〈紀貫之〉」
② したしみ影響を受けて、それに感化される。ある風(ふう)に感染する。染まる。 源氏物語(1001‐14頃)若菜上「この世にそみたる程の、にごり深きにやあらむかし」
③ 深く感じる。また、心にかなう。 詞花和歌集(1151頃)春・一九「白雲はたちへだつれど紅のうす花桜こころにぞそむ〈藤原師実〉」
浄瑠璃・仮名手本忠臣蔵(1748)九「心に染(ソマ)ぬ諂(へつら)ひも、主人を大事と存ずるから」
広辞苑 自動詞 (「しむ(浸・染)」と同源)
①しみこむ。そまる。色がつく。
古今和歌集雑体「みかさの山のもみぢ葉の色かみな月しぐれの雨の―・めるなりけり」。
日葡辞書「チニソム」
染む
②他の(ふう)に感化させる。 源氏物語若菜上「この世に―・みたる程の濁り深きにやあらむ」。
日葡辞書「ヒトトアイトモニヲルトキンバ、ジネンニソミナラウ」。
「都会の悪風にも―・まずに」
③心にしみ入る。深く感ずる。強く心がひかれる。 平家物語1「主上色にのみ―・める御心にて…この大宮へ御艶書あり」。
平家物語7「歓喜の涙こぼれて渇仰肝に―・む」。
日葡辞書「イロニソミ、カ(香)ニメヅル」。
「心に―・まない縁談」「意に―・まない」
大言海 自動詞 ()むノ轉〕
ソマル。色ニ()ム。イロヅク。
萬葉集、十九 廿二 長歌「藤浪ノ、花ナツカシミ、引キヨヂテ、袖ニ 扱入 (コキレ)ツ、染まバ染むトモ」
風雅集、十七、雜、下「身コソアラメ、心ヲ塵ノ、外ニナシテ、浮世ノ色ニ、そまジトゾ思フ」
源、三十四、上、若菜、上 九十 「此世ニそみタル程ノ、濁深キニヤアラン」
新古今集、廿、釋敎「色ニノミ、染みシ心ノ、悔シキヲ、空シト說ケル、法ノ嬉シサ」
(アケ)ニそむ」
動詞活用表
未然形 そま ず、ゆ、る、む、じ、す、しむ、まほし
連用形 そみ たり、き、つ、ぬ、つつ、たし、ても
終止形 そむ べし、らし、らむ、ましじ、まじ
連体形 そむ も、かも、こと、とき
已然形 そめ ども
命令形 そめ

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附箋:四段 自動詞

最終更新:2024年12月29日 18:33