そむ(初)

辞書 品詞 解説 例文 漢字
日本国語大辞典 ( 「そめる(染)」と同語源か。補助動詞として用いる ) その行為がはじまる意、また、はじめられた行為や動作の結果が長くあとに残る意を表わす。 万葉集(8C後)四・六一二「なかなかに黙(もだ)もあらましを何すとか相見始(そめ)けむ遂げざらまくに」
源氏物語(1001‐14頃)帚木「忍ぶれど涙こぼれそめぬれば、折々ごとに、え念じえず」
[補注]「思いそめる」「見そめる」「乱れそめる」などの「そめる」には、「染める」の意識の強い場合がある。→そめる(染)③
広辞苑 他動詞 (一説に、「染む」と同源かという)他の動詞の連用形に接続して、その動作がはじまる意を表す。特に、それが長く続く時の、はじまりにいう。 万葉集18「其の心誰に見せむと思ひ―・めけむ」。
平家物語11「それよりして梶原、判官を憎み―・めて」。
「明け―・る」「見―・る」
初む
大言海 他動詞 (ハジ)ム。(熟語ニノミ用ヰル) 萬葉集、十九 十七 「霍公鳥、今來鳴キ 曾無 (ソム)、菖蒲草、(カツラ)クマデニ、()ルル日アラメヤ」
拾遺集、十八、雜賀「澄ミそむる、末ノ心ノ、見ユルカナ、 水際 (ミギハ)ノ松ノ、(カゲ)ヲ映セバ」
源、三十五、柏木 廿四 「アヂキ無ウ思ヒ給ヘシニ、心ノ騷ギそめテ、カク鎭マラズナリ侍リヌルニナン」
同、四十一、匂宮 十五 「ワザトハ無クテ、此人人ニ見セそめテハ、必ズ心トドメ給ヒテン」
「聞キそむ」見そむ」思ヒそむ」(かりそめノ、そめモ、此語ノ活用)
動詞活用表
未然形 そめ ず、らゆ、らる、む、じ、さす、しむ、まほし
連用形 そめ たり、き、つ、ぬ、つつ、たし、ても
終止形 そむ べし、らし、らむ、ましじ、まじ
連体形 そむる も、かも、こと、とき
已然形 そむれ ども
命令形 そめよ

検索用附箋:他動詞下二段

附箋:下二段 他動詞

最終更新:2024年12月29日 18:54