ただ(徒(名詞))

日本国語大辞典
辞書 品詞 解説 例文 漢字
広辞苑 ①何ともないこと。取りたてて言うこともないさま。 宇津保物語嵯峨院「ときてやる衣の袖の色を見よ―の涙はかかるものかは」。
「―の紙切れだ」
徒・常・只・唯
②なんの意味もないさま。むなしいさま。 更級日記「荻の葉のこたふるまでもふきよらで―にすぎぬる笛の音ぞうき」
③特別な人・事・物でないこと。ふつう。なみ。 源氏物語少女「博士の人々は四韻、―の人はおとどを始め奉りて絶句つくりて」。
源氏物語梅枝「御心のゆくかぎり、草のも―のも女手もいみじう書きつくし給ふ」
④《只》代金がいらないこと。無料。ロハ。→ただならずただならぬ 狂言、薩摩守「―乗せる秀句をすへて進ぜう」。
「入場料は―にする」
大言海 名詞 (一)何ノ(カド)モナキニ云フ語。何トモナキコト。ムナシキコト。 宇津保物語、藏開、下 十六 「トキテヤル、衣ノ袖ノ、色ヲ見ヨ、ただノ淚ハ、カカルモノカハ」
(二)ヨノツネ。ツネナミ。(メヅ)ラシカラヌコト。 宇治拾遺、三、第十六條「ただ事ニハアラザリケリ」
伊勢物語、六段「マダ、イト若ウテ、后ノ、ただニオハシケル時トヤ」
源、五、若紫「アマ君ただ人ト見エズ、四十アマリバカリニテ、イトシロクアテニヤセタレド」
枕草子、九、九十七段「ただノ勝ヨリハ、ホコリカナリ」

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最終更新:2025年01月25日 19:23