ただ(唯・惟・只)

日本国語大辞典
辞書 品詞 解説 例文 漢字
広辞苑 副詞 (「ただ(直)」と同源)
①それだけであって、ほかでない意を表す。多く「のみ」と対応して用いる。単に。
万葉集11「あぢの住む 渚沙 (すさ)の入江の荒磯松我を待つ子らは―一人のみ」。
「―命令に従うのみ」
唯・只
②その事が主となっている意を表す。ひたすらもっぱら。全く。 源氏物語桐壺「―涙にひぢて明し暮させ給へば」。
「―もう喜んでいる」
③数量・程度などのわずかなこと。わずかたった 万葉集17「―ひと目君に見せてば何をか思はむ」。
「―一度の出会い」
接続詞 ただししかし 今昔物語集15「今生に栄花を楽しむべき身にもあらず。―仏の道を願ひて…三業を調へむことは仏の教へには叶はず」。
「僕は構わない。―彼がなんと言うか」
大言海 副詞 (一)是レノミ。外ニハ無ク。モハラ 萬葉集、十 十二 「モノミナハ、アタラシキヨシ、唯人ハ、フリタルノミシ、ヨロシカルベシ」
源、一、桐壺 十四 「ただ此人故ニテ、アマタサルマジキ人ノウラミヲオヒシ」
唯・惟・只
(二)イッソノコトニ。餘事ヲ()キテ。ヒタスラ 竹取物語「ココチただシレニシレテ、マモリアヘリ」
狹衣物語、一、上 四十四 「ただ泣キニノミ泣キマサル」
新古今集、十二、戀、二「憂キ身ヲバ、我ダニ厭フ、厭ヘただ、()ヲダニ同ジ、心ト思ハム」
同、十三、戀、三「ただ賴メ、タトヘバ人ノ、僞ヲ、重ネテコソハ、マタモ恨ミメ」
「ただ泣キ伏スノミ」
(三)ワヅカニ。タッタ 萬葉集、十七 廿五 「山カヒニ、咲ケル櫻ヲ、多太ヒト目、君ニ見セテバ、何ヲカ思ハム」
源、一、桐壺「日日ニオモリタマヒテ、ただ五六日ノ程ニ、イトヨワウナレバ」
「ただ二三日ノ閒」

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最終更新:2025年01月25日 19:35