だく(抱)

辞書 品詞 解説 例文 漢字
日本国語大辞典 他動詞 ( 動詞「いだく(抱)」の変化した語 )
① 腕にかかえて胸の前に支えもつ。
宇津保物語(970‐999頃)国譲下「いづれの宮をかまづだき給ふと」
② ある考え・感情を心にもつ。ひそかに思う。 蘇悉地羯羅経寛弘五年点(1008)上「終に捨離退心を懐(タカ)ず」
③ 他人に、自分と同じ考えや行動を無理にとらせる。特に、悪事や罪を自分とともにさせる。だきこむ。 雑俳・柳多留‐八(1773)「だいてはいるとは二位どのか言はじめ」
④ 遊女屋の仲居が、幇間を情夫としてもつ。江戸時代、京都祇園の遊里で用いられた語。 洒落本・箱まくら(1822)上「抱懐(ダイている) たいこもちとわけあるをいふ」
⑤ 男女が抱擁する。交接する。 歌謡・松の葉(1703)一・錦木「去り難いとてだかりょうか」
[補注]イダク→ダクの変化については、音韻論的には、語頭狭母音の脱落説や濁音前の入り渡り鼻音のイ表記省略説等がある。
広辞苑 他動詞 (イダク・ウダクの頭母音の脱落したもの)腕の中にかかえこむ。 宇津保物語国譲下「いづれの宮をかまづ―・き給ふといどみかはして」。
「赤ん坊を―・く」
抱く
大言海 他動詞 〔いだくノ略〕
ウダクムダク。他ノモノヲカカフ。
繼體紀、七年九月「我ガ手ヲバ、妹ニマカシメ、マサキツラ、多多企(手抱)アザハリ」
宇津保物語、嵯峨院 七十一 「イヅレノ宮ヲカ、マヅだきタマフト、イドミカハシテ見ルニ」
著聞集、十、相撲強力「時弘かきだきテ、地ニナゲフセタリケレバ」
動詞活用表
未然形 だか ず、ゆ、る、む、じ、す、しむ、まほし
連用形 だき たり、き、つ、ぬ、つつ、たし、ても
終止形 だく べし、らし、らむ、ましじ、まじ
連体形 だく も、かも、こと、とき
已然形 だけ ども
命令形 だけ

検索用附箋:他動詞四段

附箋:他動詞 四段

最終更新:2025年02月23日 15:38