だし(出)

辞書 品詞 解説 例文 漢字
日本国語大辞典 名詞 ( 動詞「だす(出)」の連用形の名詞化 )
① 城の一種。出城(でじろ)、出丸(でまる)のこと。
立入左京亮入道隆佐記(17C前)「城の大手のだしにおき申女房にて候故」
② 建物などの外に張り出しているもの。 言継卿記‐永祿一二年(1569)四月二日「又南巽之だしの磊出来、只今東之だし沙汰之
③ 指物(さしもの)などの棹(さお)の頭につける飾り物。 雑兵物語(1683頃)下「指物のまっ先に出しと云物が有。旦那が出しはさかばやしだぞ」
④ 端午の飾り鎧(よろい)の上などに付ける経木(きょうぎ)や厚紙の装飾。 日葡辞書(1603‐04)「ホロノ daxi(ダシ)」
⑤ =だしかぜ(出風) 物類称呼(1775)一「越後にて東風をだしといふ」
⑥ =だしじる(出汁) 大草家料理書(16C中‐後か)「生白鳥料理は〈略〉味噌に出を入て、かへらかして、鳥を入候也」
⑦ 自分の利益や都合のために利用する人や物事。方便。口実。→だしに使う 浄瑠璃・右大将鎌倉実記(1724)一「旦那の病気を虚託(ダシ)にして栄耀ぢゃな」
⑧ 「だしがい(出貝)」の略。 雍州府志(1684)七「合貝為遊戯〈略〉右貝称地而並床上左貝称レ出(ダシ)毎一箇而出置中央之隙地
⑨ ( 「かきだし(書出)」の略 ) 請求書。勘定書。 雑俳・川柳評万句合‐天明八(1788)満二「げせぬ事めでたくかしくだしへ書き」
⑩ 邦楽の用語で、「唄い出し」「語り出し」の略。現在はあまり使われない。
広辞苑 名詞 ①城の 出丸 (でまる) 日葡辞書「シロ(城)ノダシ」 出し
(のぼり)などの頭に付ける飾り物。
(かぶと)人形の頭に付けた厚紙の飾り物。
④「出し(かぜ)」の略。
⑤「出し汁」の略。 「昆布で―をとる」
⑥手段として利用するもの。方便。口実。 「―にする」「―に使う」
大言海 名詞 (一)(イダ)スコト。
(二) 出風 (ダシカゼ)ノ略。陸地ヨリ海上ニ向ヒテ吹ク風。北陸道ニテハ、東南ノ風、山陰道ニテハ、辰巳ノ風ノ稱。(南風)船ヲ西北ナル日本海ヘ吹キ出ス風。(靜岡縣ニテハ西北ヲだしト云フ)
(三)戰陣ニ、指小旗、幟ノ竿頭ニ種種ノ物ヲ着クルモノ。 雜兵物語「指物ノ眞先ニ、出しト云フモノガアル、旦那ノ出しハ 酒林 (サカバヤシ)ダ、見失ハヌヤウニ、云云」
武者物語(元祿、松田秀任)「松田金七郞秀宣、云云、鹿ノ角ノ金ニテダミタルだしヲ出シ、武者押ヲシタリ」
(四)冑人形ノ冑ノ上ニツケタル飾物。 鷹筑波集(寬永)三「ケヅリカケノ、冑ノだしハ鰹節」
(五)にだしじる(煮出汁)ノ略。 三輪 (ミツワ)繪盡(享保、西河祐吉)謎「麵類ノ汁」ト隱シテ色茶屋、云云、是ヲ「端午ノ幟」ト云フ、心ハ「だし」ガイリマス」(筠庭雜考、四)

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最終更新:2025年02月24日 14:38