ぬ(野)

辞書 品詞 解説 例文 漢字
日本国語大辞典 名詞 ① =の(野)(一) ※万葉(8C後)一七・三九七八「あしひきの 山越え奴(ヌ)行き 天ざかる 鄙(ひな)治めにと」
※万葉(8C後)二〇・四三八七「千葉の奴(ヌ)の児手柏(このてがしは)のほほまれどあやに愛(かな)しみ」
② (現在「の」の甲類音を表わす万葉仮名とされている「怒」「弩」「努」などを、後世、特に江戸時代「ぬ」と訓んだところから生じた語) =の(野)(一) ※万葉集古義(1844頃)総論「その古と後世と言の異なると云は、野を奴(ヌ)(古)、能(の)(新)、小竹を志奴(しぬ)(古)、志能(しの)(新)〈略〉などいふ類」
[補注](1)①の挙例「万葉‐四三八七」は、作者が東国防人なので、「の(野)」の上代東国方言か。同じく①の「万葉‐三九七八」は、「の(野)」の音変化による別形と認めたが、「の」と訓むべきか、「努」「怒」などの誤写とするべきかなどの説もある。
(2)②の場合の「ぬ(野)」を語頭にもつ複合語は、それぞれの「の(野)」の複合語の項に送った。
広辞苑 名詞 ①(ノの母音交代したもの)上代語、特に東国方言で、 () 万葉集20「千葉の―の 児手柏 (このてがしわ)の」
②「()」の意味に用いた万葉仮名「努」「怒」などを、江戸時代の国学者がヌと誤って()んだことから作られた語。
大言海 名詞 (ヌル)きノ意〕
()ノ古言。
古事記、上、「次生 野神 (ヌノカミ)、名、鹿屋野比賣神」
應神紀、十三年三月「イサアギ()ニ、(ヒル)摘ミニ、蒜摘ミニ、我ガ行ク道ニ、(カグハシ)花橘」
雄略紀、十二年十月「伊勢ノ()ノ、榮ヲ、 五百世 (イホ)()(カキ)テ、 其之 (シカ)盡ルマデニ」

検索用附箋:名詞地理

附箋:名詞 地理

最終更新:2024年06月13日 16:57