だに(壁蝨)

辞書 品詞 解説 例文 漢字
日本国語大辞典 名詞 ① ( 古くは「たに」か ) クモ綱ダニ目に属する節足動物の総称。体長は、大で二・五センチメートル、小は〇・一ミリメートルほどの微小種。体は一般に退化した構造をもち、頭胸部と腹部は癒着して境界は見えない。ふつう、幼虫の足は三対で、成虫になると四対になる。体の前端にある口器には、種類によって形の異なる鋏角(きょうかく)があり、吸血などに用いる。自然界に広く分布。人間や家畜に寄生するマダニ・ツツガムシ、淡水にすむミズダニ、海産のウシオダニ、食品につくコナダニやサトウダニのほか、農作物や樹木を害するハダニなど種類はきわめて多く一万種を超えるとされる。人体には皮膚に寄生して吸血し、不快感を与えるほか特殊な病気を媒介する。日本からは約一八〇〇種が記録されている。《 季語・夏 》 〔十巻本和名抄(934頃)〕 壁蝨・蜱・蟎
② 転じて、きらわれ者。 良人の自白(1904‐06)〈木下尚江〉続「打抛って置きなせへ、塩瀬の食客(いさふらふ)、此村の蝨(ダニ)だ」
[語誌]( 1 )古くは「たに」と語頭が清音であったと思われるが、「早大本節用集」「易林本節用集」などでは「だに」と濁る。
( 2 )表記には「壁蝨」などのほかに、「蟎」が用いられた。これは、蚊や毒虫を意味する漢字「蜹」が日本で意味を変えて使われてきた中で、字体も崩れ、俗解を経て「蟎」に変化したものと考えられる。
広辞苑 名詞 (古くは清音)クモ綱ダニ目の節足動物の総称。土中・水中・海中など、あらゆる場所に生活。動植物に寄生するものもある。体長0.2〜20ミリメートル。体は一般に退化した構造をもち、顎体部・前体部・後体部の三部から成り、四対の歩脚がある。幼虫期の歩脚は三対。マダニ・ワクモ・ハダニ・コナダニ・ササラダニ・ツツガムシなど。日本にも2000種近くがいる。人畜に寄生して血を吸うものがあるので、転じて、人に嫌われる者の形容に用いる。八脚子。 〈倭名類聚鈔19〉。
「街の―」
壁蝨・蜱
大言海 名詞 蟲ノ名。たに(壁蝨)ノ訛。 壁蝨

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最終更新:2025年02月24日 15:10