ちり(散)

辞書 品詞 解説 例文 漢字
日本国語大辞典 名詞 ( 動詞「ちる(散)」の連用形の名詞化 )
① 散ること。また、散らしたもの。
万葉集(8C後)一〇・二〇五二「このゆふへ降りくる雨は彦星の早漕ぐ船の櫂(かい)の散(ちり)かも」
② 建築で、二つの材の面が不揃いになる時、その出っ張ったり、または、引っこんだりした部分。 匠明(1608‐10)殿屋集「又方立と鴨居・敷居のちりは、かな物に少ちりを見るへし」
③ 本の表紙で中身より出っ張った部分。 風俗画報‐一〇八号(1896)人事門「表紙の付やうは板紙(ぼーる)を本の寸法より三方へ凡一分位のチリを付て切(きり)、クロースをくるむなり」
広辞苑 名詞 ①散ること。散るもの。 万葉集15「もみち葉の―のまがひは今日にもあるかも」 散り
②〔建〕二つの面がわずかに不揃いに置かれたとき、そのずれている部分の幅。壁の柱の、わずかに壁から出た部分など。
③(製本用語)上製本で、表紙が用紙の三方(天・地・小口)よりはみだしている部分の幅をいう。
大言海 名詞 チルコト。散リ亂ルルコト。 萬葉集、二 廿 長歌「渡ノ山ノ、 黃葉 (モミヂバ)ノ、 散之亂 (チリノマガヒ)ニ、妹ガ袖、サヤニモ見エズ」
拾遺愚草、上「トマラヌハ、櫻バカリヲ、色ニイデテ、ちりノ迷ヒニ、クルル春カナ」
金槐集、上「咲キシヨリ、カネテゾヲシキ、梅ノ花、ちりノ別レハ、ワガ身ト思ヘバ」

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最終更新:2025年03月08日 15:33