つく(尽)

辞書 品詞 解説 例文 漢字
日本国語大辞典 自動詞 ① 物事がだんだん減っていってなくなる。消耗してなくなる。終わる。
(イ) 具体的な事柄についていう場合。
日本書紀(720)雄略一二年一〇月・歌謡「伊勢の野の 栄枝を 五百(いほ)経る懸(か)きて 其(し)が都矩屡(ツクル)までに 大君に 堅く 仕へ奉(まつ)らむと」
大慈恩寺三蔵法師伝永久四年点(1116)「千里の資一朝に斯に罄(ツキ)ぬ」
尽・歇・竭
(ロ) 人の持っている精神的な事柄など抽象的なものについていう場合。 万葉集(8C後)二・一九九「嘆きも いまだ過ぎぬに 憶ひも いまだ尽(つき)ねば」
源氏物語(1001‐14頃)桐壺「いとど心ぐるしう、心・肝もつくるやうになん」
② 継続していたものが途絶える。つながりが切れる。
(イ) 具体的な事柄についていう場合。
西大寺本金光明最勝王経平安初期点(830頃)六「燈を燃して明を続ぎて、昼夜に竭(ツクル)こと無かれ」
名語記(1275)五「周の代つきにけり」
(ロ) 人の命、運命など抽象的な事柄についていう場合。 法華修法一百座聞書抄(1110)閏七月九日「母のまや夫人は娑婆世界の機縁尽て忉利天にむまれ給て」
日蓮遺文‐本尊問答鈔(1278)「仏法の邪正乱しかば、正法も漸く尽(キ)ぬ」
③ 事柄がどんどん進んでいって、その極に達する。行きつくところにとどまる。多く、打消を伴って用いる。「興味はつきない」など。 西大寺本金光明最勝王経平安初期点(830頃)三「法施は窮(ツクル)こと無し」
④ そのほかに言いようがないさまである。それですべてを言い尽くしている。「かわいいの一言に尽きる」「男冥利に尽きる」など。
広辞苑 自動詞 物・事が消耗していってその果てに達する意。
①(使い果たして)しまいになる。最後まで行く。終わる。
万葉集20「君に語らむこと―・きめやも」。
拾遺和歌集賀「―・くとも―・きじ君が齢は」。
平家物語12「御運すでに―・きさせ給ひぬ」。
「食糧が―・きる」
尽く・竭く
②極限に達する。きわまる。
現代語では多く「…に―・きる」の形で用いる。
源氏物語紅葉賀「これらに面白さの―・きにければ他事に目もうつらず」。
「冥加に―・きる」
③なくなる。消えうせる。 万葉集6「この山の―・きばのみこそこの河の絶えばのみこそ」。
源氏物語桐壺「いとど心苦しう心肝も―・くるやうになむ」
④(動詞の連用形に付いて)…して終りになる。最後まで…する。 「燃え―・きる」
大言海 自動詞 ()ニ通ズルカ〕
(一)無クナル。費エ()ス。消ユ。
源、一、桐壺 十一 「イトド心苦シウ、心肝モつくるヤウニナン」
(二)終ハル。果ツ。シマフ。 字類抄「竭、罄、悉、殲、ツク」
萬菓集、十七「ミ冬都藝、春ハキタレド、梅ノ花、君ニシアラネバ、折ル人モナシ」
「年盡く」仕事盡く」
動詞活用表
未然形 つき ず、らゆ、らる、む、じ、さす、しむ、まほし
連用形 つき たり、き、つ、ぬ、つつ、たし、ても
終止形 つく べし、らし、らむ、ましじ、まじ
連体形 つくる も、かも、こと、とき
已然形 つくれ ども
命令形 つきよ

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附箋:上二段 自動詞

最終更新:2025年03月22日 15:30