つぐ(継・続・接)

日本国語大辞典
辞書 品詞 解説 例文 漢字
広辞苑 他動詞 ➊もののつづきを絶やさないようにする。
①絶えないようにあとを続ける。継承する。相続する。
万葉集20「すめろきの(あま)の日嗣と―・ぎて来る君の御代御代」。
平家物語6「理世安楽の絶えたる跡を―・ぎ給ふ」。
「家業を―・ぐ」
継ぐ・接ぐ
②保ちつづける。 万葉集15「わぎもこが形見の衣無かりせば何物もてか命―・がまし」。
平家物語1「小松殴やうやうに申して頸を―・ぎ給へり」
つたえる。うけつたえる。 万葉集3「語り―・ぎ言ひ―・ぎ行かむ 不尽 (ふじ)の高嶺は」
④連ねる。 平家物語1「三千の衆徒(くびす)を―・ぎ、七社の神人袖をつらぬ」。
平家物語11「夜を日に―・ぎて勝負を決すべし」
⑤(「注ぐ」とも書く)後から後から加える。
㋐不足などを補う。供給する。
仁徳紀「 邦畿之内 (うちつくに)すら尚()がざること有り」。
「炭を―・ぐ」
㋑世話をする。給仕をする。 皇極紀「寵妃阿倍氏を使ひたまひて…(つぶさ)に―・がずといふこと()からしめたまふ」
㋒容器に物を入れる。特に、液体をそそぎ入れる。 日葡辞書「ミヅ・サケ・アブラナドヲツグ」。
曠野「夕せはしき酒―・いでやる」(荷兮)。
「飯を―・ぐ」
⑥(主に他の動詞の連用形に付いて)
㋐その動作を続ける意を表す。
万葉集7「かにかくに人は言ふとも織り―・がむ吾が(はた)物の白麻衣」
㋑後をうけついでそうする意を表す。 万葉集19「後の世に聞き―・ぐ人も語り―・ぐがね」
➋離れているものをつなぐ。
①つなぎ合わせる。
源氏物語須磨「つれづれなるままにいろいろの紙を―・ぎつつ手習をし給ふ」。
日葡辞書「サヲヲツグ」。
「母を―・ぐ」
②(破れなどを)縫い合わせる。つぎをあてる。 万葉集18「おのともおのや裏も―・ぎたり」
接木 (つぎき)をする。 日葡辞書「キヲツグ」。
「台木に若芽を―・ぐ」「木に竹を―・いだよう」
④ものを切ることの 忌詞 (いみことば) 鎌倉年中行事「御膳の緒―・ぎ申さる」。
狂言、鱸庖丁「一の刀にて魚頭を―・ぎ、二の刀にて上身をおろし」
大言海 他動詞 (一)添ヘテ付クル。斷エタルヲツヅクル。 繼・續・接
(二)代リテ、後ヲ承ク。相續ス。 「位ヲ嗣ぐ」統ヲ承グ」名ヲ襲ぐ」
(三)粘バシ補フ。縫ヒ繕フ。補綴 缺片 (カケ)ヲ接ぐ」衣ノ 破綻 (ヤブレ)ヲ續ぐ」つぎモノ」
(四)後ヨリ加フ。()ス。 「炭ヲつぐ」
動詞活用表
未然形 つが ず、ゆ、る、む、じ、す、しむ、まほし
連用形 つぎ たり、き、つ、ぬ、つつ、たし、ても
終止形 つぐ べし、らし、らむ、ましじ、まじ
連体形 つぐ も、かも、こと、とき
已然形 つげ ども
命令形 つげ

検索用附箋:他動詞四段

附箋:他動詞 四段

最終更新:2025年03月23日 14:22