つけ(附)

辞書 品詞 解説 例文 漢字
日本国語大辞典 名詞 ( 動詞「つける(付)」の連用形の名詞化 )
① 帳簿や請求書に書きしるすこと。
(イ) 勘定書き。支払い請求書。書き出し。
雑俳・一夜泊(1743)「附けを見て・しゃくりのとまる凉み床」 付・附
(ロ) その場で払わず、あとでまとめて支払うことにして帳簿にしるしておくこと。また、その支払い方法。 続百鬼園随筆(1934)〈内田百閒〉大晦日「実はこの八十幾円の附けに対して、今日五十円だけ預ければ」
セルロイドの塔(1959)〈三浦朱門〉九「ここはね、つけがきくんだ」
② 手紙。 滑稽本・浮世床(1813‐23)初「此中(こんぢう)附(ツケ)をよこした女よ〈略〉〈附とは手紙のこと〉」
③ その人についてまわる運。めぐりあわせ。 洒落本・比翼紫(1801)三「こんなつけのわりいばんはねへぜア」
④ 妓楼などで遊客にきまって出す料理。 随筆・麓の色(1768)二「客も料理よくする家をばつけのよき家と慕へば」
⑤ 自慢すること。 〔譬喩尽(1786)〕
⑥ 理由。 歌舞伎・与話情浮名横櫛(切られ与三)(1853)八「勘当受たおれがからだ、どふしてどふして二親が何のつけに逢ふものかへ」
⑦ 歌舞伎で、役者が見得(みえ)を切る時、立ち回りや舞台への出入りの時など、その動作を強く印象づけるため、舞台上手(かみて)で、役者の動作に合わせて、板(つけ板)を拍子木様の二つの木でたたくこと。また、その拍子。東京では大道具方、上方では狂言方が打つ。つけうち。つけびょうし。かげ。→付を打つ 滑稽本・八笑人(1820‐49)四「ヲイおはやし爰で一つ付(ツケ)がいるぜ」
⑧ しそこなうこと。 〔新撰大阪詞大全(1841)〕
語素 動詞の連用形に付いて、いつもしなれていることの意をそえる。 吾輩は猫である(1905‐06)〈夏目漱石〉八「平生かかりつけの甘木先生を迎へて診察を受け」
広辞苑 名詞 ①つけること。 付け・附け
②書きつけ。勘定書。また、借買いすること。 「―がたまる」
③手紙。 浮世床初「此中―をよこした女よ」
④めぐりあわせ。運。折。さいさき。前兆。 東海道中膝栗毛4「北八、手めへ今日は大分―がわりいぜ」
付帳 (つけちょう)の略。
⑥(歌舞伎用語)争闘演技、 見得 (みえ)、駆け出すとき、物を投げつけるときなど、強く印象づけるため、舞台 上手 (かみて)で、板を 拍子木 (ひょうしぎ)様の二つの()でたたくこと。付拍子。
接尾辞 ①動詞の連用形に付いて、常にそのことをしている意を表す。 「行き―の店」
②(ヅケと連濁)年月日について、文書発行の日付を示す。
大言海 名詞 (一) 附拍子 (ツケビヤウシ)ノ略。其條ヲ見ヨ。 「つけヲ打ツ」
(二)勘定書附ノ略。かん ぢャ (ジヨ)うがき(勘定書)ノ條ヲ見ヨ。 「つけガワルイ」

検索用附箋:名詞動作
検索用附箋:接尾辞
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附箋:動作 名詞 接尾辞 語素

最終更新:2025年03月23日 14:55