つげ(黄楊)

辞書 品詞 解説 例文 漢字
日本国語大辞典 名詞 ① ツゲ科の常緑小高木。本州中部以西・四国・九州の暖地の山中に生える。石灰岩、蛇紋岩地帯に多い。高さ約三メートル。樹皮は灰白色または淡褐色。若枝は四角柱状。葉は長さ一~二・五センチメートルの倒卵形で対生。春、葉腋に淡黄緑色の雄花が数個群がってつき、その中央に一個の雌花がある。花は花弁がなく四個の萼片がある。果実は長さ約一センチメートルの広楕円形で頂端に三本の柱頭が角状に残り、熟すと三裂する。葉が密にしげって美しいので庭木や生垣とされ、材は緻密で狂いが少なく印材・定規・櫛(くし)・将棋の駒・そろばん球などに用いる。漢名、黄楊。あさまつげ。ほんつげ。つげのき。 西大寺資財流記帳‐宝亀一一年(780)「大唐楽器一具 〈略〉黄楊撥一枚」 黄楊
② 植物「いぬつげ(犬黄楊)」の異名。 〔物品識名(1809)〕
③ 江戸時代、江戸深川の岡場所で、遊女の身の回りの装飾品や髪飾りなどがさびしいことをいう。 洒落本・古契三娼(1787)「しかけやなにかのさみしいことを黄楊(ツゲ)だのといいやす」
広辞苑 名詞 ツゲ科の常緑小高木。高さ約3メートル、暖地に自生し庭樹や生垣とする。伊豆七島が産地として有名。樹皮は灰白色または淡褐色。葉は革質で対生。雌雄同株。三月頃、淡黄色の単性花を群生。花後、豆粒大の果実を結ぶ。成育がおそく、材はきわめて緻密、黄褐色で、印材・ 版木 (はんぎ)とし、また櫛や将棋の駒などを作る。別科のイヌツゲに対し、ホンツゲともいう。「黄楊の花」は〈[季]春〉。 万葉集13「―の小櫛を抑へ挿す」 黄楊・柘植
大言海 名詞 (ツグ)ノ轉〕
常綠ノ灌木。山ニ多シ、高サ五六尺、枝葉繁茂ス、故ニ多ク墻トス。葉、深綠ニシテ、小サク細長ク、厚クシテ、細鋸齒アリ、互生ス。夏、葉ノ閒ニ、小白花、開ク、實圓ク、熟スレバ黑シ。材、堅ク白ク、諸ノ器ニ作ル。他名ニ對シテ、いぬつげトモ云フ。柞木
又、(ヒメ)黃楊アリ、多ク庭際ニ植ウ、枝、葉、對生シ、葉、小サク、長サ二分許、鋸齒無シ、花、無シ。材、黃ヲ帶ビテ、最モ堅緻ナレバ、印版、櫛、入齒ナドトス。黃楊
倭名抄、廿 廿六 木類「黃楊、豆介」
字鏡 五十二 「黃楊、豆介乃木」
萬葉集、九 廿七 「君ナクバ、ナゾ身カザラム、櫛笥ナル、つげノ小櫛モ、取ラムト思ハズ」
黃楊

検索用附箋:名詞植物

附箋:名詞 植物

最終更新:2025年03月23日 16:07