つじ(辻イ)

辞書 品詞 解説 例文 漢字
日本国語大辞典 名詞 ( 「つむじ」の転 )
① 道路が十文字に交差している所。よつつじ。十字路。交差点。つむじ
〔十巻本和名抄(934頃)〕
宇津保物語(970‐999頃)俊蔭「三条京極のつじに立ち給へり」
② 路上。みちばた。ちまた。多く、「辻講釈」「辻占」などと、熟して用いられる。 枕草子(10C終)三九「つぢありくわらはべなどの程々につけて」
説経節・説経しんとく丸(1648)中「それみやこつしすから人のさたなすは、それ弓とりのみうちに、やまふじやの有けれは、弓矢めうか七代つくるとさたおなす」
③ 裁縫で、縫目の十文字になる所。
④ 物の合計。または、物事の結果。 鵤荘引付‐永正一七年(1520)一一月二七日「則東西政所を取替、支配の辻五十余貫也」
⑤ 「つじばんしょ(辻番所)」の略。 歌舞伎・好色芝紀島物語(1869)三幕「ト辻番の内を覗き『〈略〉御無心ながら少しの内お軒下をお貸しなすって下さいまし〈略〉此のお辻(ツジ)がないと内まで濡れて帰らなけりゃあならぬ』」
⑥ 馬具の名。
(イ) 「つじぶさ(辻総)」の略。
延喜式(927)四一「六位以下鞍鞦総。不連著、但聴鞦衢(つじ)及後末
(ロ) 轡(くつわ)の部分の名。
(ハ) 鞦(しりがい)の組合わせの部分の名。
[語誌]( 1 )「つむじ」の変化したものとされ、その「つむじ」は旋毛と関係すると見られるが、十字路の辻は、早くから「つじ」が一般的になっていたと思われる。
( 2 )「日葡辞書」には「tçǔji(ツウジ)」とあるが、同項目に「Michi tçuji(ミチツジ)」ともある。
広辞苑 名詞 ①道路が十字形に交叉している所。四辻。「つむじ」とも。 宇津保物語俊蔭「三条京極の―に立ち給へり」
②みちばた。みちすじ。ちまた。 「―説法」「―君」「―斬り」
③縦横筋違いの筋を交叉させた染模様。
④「つじぶさ(辻総)」の略。
大言海 名詞 旋毛 (ツムジ)ト通ズ、其略ナリ、辻ハ逵ノ省、或ハ云フ、十字街ノ十ニ、 之繞 (シンネウ)セルナリト〕
(一){古言、つむじ。路ノ縱橫ニ通ジタル處。數條ノ路筋ノ打違ヒタル處。ヨツツジ。十字街
倭名抄、十 十八 道路類「十字、東西南北相分之道、其中央似十字也、俗用辻字、一本、都无之」
名義抄「辻、ツムシ」
字類抄「十字、ツムジ」辻、ツジ」
宇津保物語、俊蔭 三十一 「三條京極ノつじニ立チタマヘリ」(古寫本)
(二)道。道端。 枕草子、三、廿三段「つじアリク、ワラハベ」
(三)染模樣ナドニ、橫竪筋違ノ筋ヲ打違ヘタルモノ。 好色一代女(貞享、西鶴)一「惣鹿子、此辻ヲヒトツヒトツ 紙燭 (シソク)ニテ焦シヌキ」
(四)馬ノ(シリガイ)ノ、 三頭 (サンヅ)(其條ヲ見ヨ)ノ上ニテ、斜十字(みつト云フ)ニ打違ニナル所。コkニツクル(フサ)ヲ、 辻總 (ツジブサ)ト云フ。 彈正臺式「六位以下鞍(ノ ノ)總不連著、但聽(ノツジ)及後末」(ふさしりがいノ條ヲ見ヨ)

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最終更新:2025年03月23日 17:33