ね(助詞イ)

辞書 品詞 解説 例文 漢字
日本国語大辞典 助詞 〘終助〙 文末にあって動詞型活用の語の未然形および禁止の「な…そ」をうけ、他者の行動の実現を希望する意を表わす上代語。下に感動の「も」の添った「ねも」の形もある。→補注。 ※古事記(712)上・歌謡「うれたくも 鳴くなる鳥か この鳥も 打ち止(や)め こせ泥(ネ)」
※万葉(8C後)五・八〇〇「石本より 成りてし人か 汝が名告らさ禰(ネ)」
※万葉(8C後)二〇・四三三五「今替る新防人が船出する海原の上に浪な開(さ)きそ禰(ネ)」
[補注]他者の行動の実現を希望する助詞には、このほか「なも」「なむ」があるが、これらは三人称的なものの行動・状態に関するものであり、しかも実現可能度の低い場合が多いのに対して、「ね」は二人称的なものの行動の実現を願い、その実現可能度が高い。その点、命令形に近い表現と言い得る。
広辞苑 助詞 ①(終助詞)動詞や動詞型活用語の未然形および助詞の「な…そ」に付いて、あつらえ願う意を表す。…してください。…してほしい。 万葉集5「()が名()らさ―」。
万葉集9「真土山越ゆらむ今日そ雨な降りそ―」
②(間投助詞)語句の切れ目に付いて、相手に念を押し、または軽い感動を表す。 浮世風呂3「わたくしは―、おつかさんにねだつて―、あのウ路考茶を―、不断着にそめてもらひました」。
「無事でいて―」「いいです―」
感動詞 親しみをこめて呼びかけ、または念を押すのに用いる語。ねえ 滑稽本、素人狂言紋切形「人さまに御損をかけては今日様へすみませぬ。―、左様ではござりませぬか」。
「―、そうでしょう」
大言海 天爾遠波 希望ノ意ヲ表ハス語。 崇神紀、八年十二月「朝戶ニモ押シ開カ()、三輪ノ殿戶ヲ」
仁德紀、四十年三月「伊菟岐ガ上ノ、 鷦鷯 (ササキ)取ラサ()
萬葉集、三 廿三 「奧山ノ、菅ノ葉凌ギ、降ル雪ノ、消ナバ惜シケム、雨ナ降リソ()
同、五 廿六 「アガ主ノ、御靈(タマヒ)テ、春サラバ、奈良ノ都ニ、メサゲタマハ()

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附箋:助詞 感動詞

最終更新:2024年05月10日 21:13