つと(苞苴)

辞書 品詞 解説 例文 漢字
日本国語大辞典 名詞 ( 「つつむ(包)」と同語源 )
① わらなどを束ねて、その中に魚・果実などの食品を包んだもの。わらづとあらまき
万葉集(8C後)一六・三八六八「沖行くや赤ら小船に裹(つと)遣らばけだし人見て開き見むかも」 苞・苞苴
② 他の場所に携えてゆき、また、旅先や出先などから携えて帰り、人に贈ったりなどするみやげもの。 万葉集(8C後)二〇・四四七一「消(け)残りの雪にあへ照るあしひきの山橘を都刀(ツト)に摘み来な」
③ 旅行に携えてゆく、食糧などを入れた包み物。あらかじめ準備して持ってゆくもの。 一言芳談(1297‐1350頃)下「なむあみだ仏なむあみだ仏と申て候は、決定往生のつととおぼえて候なり」
広辞苑 名詞 ①わらなどを束ねて物を包んだもの。わらづとあらまき 苞・苞苴
②携えてゆくその地の産物。 土産 (どさん) 万葉集3「浜―()はば何を示さむ」
みやげ。いえづと。 万葉集20「貝にありせば―にせましを」
大言海 名詞 (ツツ)ノ轉〕
(一)物ヲ藁ナドニ包ミタルモノ。裹ミモノ。アラマキワラヅト。ニヘ。
名義抄「贄、ニヘ、ツト」
字鏡 七十八 「賕、爾戶、又、豆止」
天治字鏡、十 十七 「贄、豆止」
新六帖、五「暫シトテ、山井ノ淸水、ムスビツツ、 乾飯 (カレイヒ)ノつとヲ、取リゾ出デツル」
苞苴
(二)轉ジテ、其土地ノ產物ヲ、携ヘ行クニ就キテ云フ語。土產 萬葉集、廿「アシビキノ、山行キシカバ、山人ノ、ワレニエシメシ、 夜麻都刀 (ヤマツト)ゾコレ」
同、三 三十三 「鹽干ナバ、玉藻苅リツメ、家ノ妹ガ、 濱𮖐 (ハマツト)乞ハバ、何ヲ示サム」
同、八 三十五 「ヲミナヘシ、秋萩手折レ、玉桙ノ、道行 𮖐 (ツト)ト、コハン兒ノタメ」
夫木抄、三十六、旅「旅つとニ、モタルカレイヒノ、ホロホロト、淚ゾ落ツル、都オモヘバ」
(三)又、其土產ヲ携ヘテ、人ニモ贈リ、家ヘモ持テ歸ルニ就キテ云フ語。イヘヅト。ミヤゲモノ。 萬葉集、三 廿五 「伊勢ノ海ノ、沖津白浪、花ニモガ、裹ミテ妹ガ、 家裹 (イヘツト)セム」
源、十三、明石 四十一 「マコトノ都ノつとニシツベキ御贈物ドモ、故ヅキテ思ヒヨラヌ限ナシ」
拾遺集、七、物名「筑紫ヨリ、此マデ來レド、つとモナシ、瀧ノヲ川ノ、橋ノミゾアル」

検索用附箋:名詞物品

附箋:名詞 物品

最終更新:2025年03月30日 14:10