つと(副詞)

辞書 品詞 解説 例文 漢字
日本国語大辞典 副詞 ① 動かないで、ある状態をずっと続けるさまを表わす語。じっと 宇津保物語(970‐999頃)俊蔭「誰と聞えし人の子ぞ。もし心ならで参り来ずとも、つと思ひとりてなむあるべき」
② 勢いよくすばやいさまを表わす語。さっとふと。急に。つっと。 宇津保物語(970‐999頃)蔵開下「むつかり給ふを、宮きこしめして、女ぎみをつとかきよせて」
③ すきまなく密着したさまを表わす語。ぴたっと。ぴったりと。ひたと。 源氏物語(1001‐14頃)桐壺「御胸つとふたがりて、つゆまどろまれず、明かしかねさせたまふ」
広辞苑 副詞 ①動かずに、ある状態を続けるさまにいう語。じっと。つっと。 源氏物語夕顔「君に―添ひたてまつりて」
②つくづく。じっくりと。 枕草子33「講師の顔を―まもらへたるこそ」
③急に動作するさま。さっと。突然。 宇津保物語蔵開下「女君を―かき寄せて」
大言海 副詞 〔ついとノ約〕
(一)動カズ移ラヌ狀ニ云フ語。ヂット。ヅイト。ヅット。ツット。ソノママ。タダチニ。
源、一、桐壺「御胸ノミつと(フタ)ガリテ」
同、三、空蟬「目ヲシつと付ケ給ヘレバ、オノヅカラ 傍目 (ソバメ)ニ見ユ」
同、七、紅葉賀 廿八 「イデ、此直衣着ム、ト宣ヘド、つと捉ヘテ、サラニ許シ聞エズ」
竹取物語「つと影ニナリヌ」
大和物語、下「外ヘモサラニ行カデ、つと居ニケリ」
「つと寄リ添ヒテ」
(二)急ニ身ヲ動カス狀ニ云フ語。ツット。 宇津保物語、國讓、下 廿六 「宮キコシメシテ、女君ヲつとカキヨセテノ給フヤウ」

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最終更新:2025年03月30日 14:29