つの(角)

辞書 品詞 解説 例文 漢字
日本国語大辞典 名詞 ① 特に反芻類などの動物の頭上にある堅い角質または骨質の突出物。主に攻撃や防衛に用いる。雄性の性徴であることも多い。鬼・雷神などにも生えているという。 日本書紀(720)雄略即位前(前田本訓)「今近江の来(く)田綿(わた)蚊屋(かや)野に猪(ゐ)鹿多(さは)に有(あ)り。其の戴(ささけたる)角(ツノ)、枯樹の末(えた)に類(に)たり」
② 動物や昆虫などの頭部にある触角などの突起物。また、一般に、物の上または表面に突起したもの。 神楽歌(9C後)小前張・蟋蟀「蟋蟀の 妬さ慨さ や 御園生に参りて 木の根を掘り食むで おさまさ 津乃(ツノ)折れぬ おさまさ おさまさ 津乃(ツノ)折れぬ」$br義経記(室町中か)五「草摺を臥木のつのに引掛けて、真逆様にどうど転び」
③ 冠の巾子(こじ)と髻(もとどり)をつき通すもの。かんざし。 元和本下学集(1617)「角 ツノ 冠簮」
④ 「つのぶえ(角笛)」の略。 今昔物語集(1120頃か)六「酉時に至て、皷打ち、角を吹く」
⑤ ( その形相が角をはやした鬼に似るところから ) 女の嫉妬。また、怒り。いきどおり。 浄瑠璃・丹波与作待夜の小室節(1707頃)中「旦那殿の苦い顔は日比生へたつのにまたがさかふぞなふ怖や」
⑥ 釣漁具の一つ。烏賊(いか)・鰹(かつお)などを釣る時に用いる、鹿・牛・山羊の角や牛馬の蹄(ひづめ)などでつくった擬餌針。
⑦ 「つのがき(角書)」の略。
⑧ 紋所の名。角の形を図案化したもので抱き角・六つ角・違い角など種々ある。
⑨ 張形(はりかた)の異称。
広辞苑 名詞 ①動物の、主に頭部にある堅い突起物。骨質(牛・羊・鹿など)または角質(犀)で、闘争に役立つ。 万葉集4「夏野ゆくを鹿の―の」
②物の表面または頭上の突起物。
③冠の 巾子 (こじ)(もとどり)とを突き通すもの。かんざしの俗称。
嫉妬 (しっと)・いきどおりなどの意。
角書 (つのがき)の略。
大言海 名詞 〔つぬノ轉〕
(一){古言、ツヌ。牛、羊、鹿、犀等ノ頭ニ生ズル骨ノ如キモノ。堅クシテ長ク、端尖ル。
倭名抄、十八 廿三 毛群體「角、豆乃」
(二){草木ノ()(ダチ) 倭名抄、廿 十六 草類「菼、蘆初生也、阿之豆乃」
同卷 廿二 草類「菰首、古毛豆乃」
(三)冠ノ笄。(かんむりノ條ヲ見ヨ)
(四)(トゲ) 「榮螺ノ角」
(五)婦人ガ、(ヲツト)ノ情事ナドニヨリテ、起ス嫉妬。

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最終更新:2025年03月30日 16:00