つり(釣)

辞書 品詞 解説 例文 漢字
日本国語大辞典 名詞 ( 動詞「つる(釣)」の連用形の名詞化 )
① つるすこと。引っかけて垂らすこと。また、ぶらさげること。
歌舞伎・盲長屋梅加賀鳶(1886)七幕「さ、是れでも貴様白状せずば、此上は釣(ツリ)にかけるぞ」 釣・吊
② 物をつりさげるのに用いるものの総称。蚊帳のつり手やズボンつりなど。 幼学読本(1887)〈西邨貞〉三「細き麻糸を以てかくの如く骨に釣をかけたり」
③ 旗・幕・幟(のぼり)・帆などの縁にひもを通すためにつけられた環状のもの。乳(ち)。
④ ( 釣 )( ━する ) 釣り糸の先に結びつけた釣り針で魚を引っかけて捕えること。いおつり。うおつり。さかなつり。 万葉集(8C後)一七・三九五六「奈呉(なご)の海人の都里(ツリ)する舟は今こそば舟棚打ちてあへて漕ぎ出め」
⑤ ( 釣 ) 魚釣りの道具。 太平記(14C後)三六「傍の浦の海人共、網を巻き釣(ツリ)を捨て」
⑥ 街頭で女を誘惑すること。おかづり。 浮世草子・色里三所世帯(1688)下「釣のいとは男のふんどしかかった事情の淵」
⑦ 相撲で、相手のまわしをつかんで、そのからだを宙にもちあげること。 〔相撲講話(1919)〕
⑧ 「つりせん(釣銭)」の略。 俳諧・口真似草(1656)一〇「りんりんとはねさせ駒や引ぬらん はかり目おもきつりにとる銭〈正種〉」
接尾辞 ① 蚊帳・網・幕など、つりさげて用いるものを数えるのに用いる。 浮世草子・西鶴織留(1694)一「町人にもかかる娵入蚊屋(よめいりかや)、〈略〉此一釣(ツリ)に弐貫六百目入ける」
② 蚊帳の大きさを示すのに、上に畳数を添えて用いる。 浮世草子・世間胸算用(1692)五「二畳釣(ツリ)の蚊屋出して」
広辞苑 名詞 ①つること。ひっかけること。つるすこと。 釣り・吊り
②物をつるすのに用いるものの総称。
③旗・幕・羽織などの縁につける()
④釣糸の先に付けた(はり)に掛けて魚を取ること。うおつり。 太平記36「網を巻き―を捨てて」
⑤釣銭。おつり 「―をもらう」「お―が来る」
⑥系図。つりがき。また、血縁。 日本永代蔵6「大織冠の―あるにしてから、町屋住まひの身は貧なれば」
大言海 名詞 (一)釣ルコト。引キ懸クルコト。
(二)物ヲ釣リ懸クルニ用ヰル絲、又、紐ノ類。吊絲
(三){釣絲ニ餌ヲツケテ、魚ヲ釣リ()ルコト。 萬葉集、十二 三十六 「志賀ノアマノ、釣りニトモセル、イサリ火ノ、ホノカニ妹ヲ、見ムヨシモガナ」
同、十七 廿 「ナゴノアマノ、都里スル舟ハ、今コソハ、フナダナウチテ、アヘテ漕ギデメ」
宇津保物語、俊蔭 四十 「つりヲカマヘテ釣ルニ」
伊勢物語、八十段「シホガマニ、イツカ來ニケン、朝ナギニ、つりスル舟ハ、ココニヨラナム」
謠曲、羽衣「風向フ、雲ノ浮浪タツト見テ、云云、釣セデ人ヤ歸ルラン」
(四)つりせん(釣錢)ノ略。拂ヒタル 貨幣 (カネ)ノ、品物ノ價ヨリ多キ時ニ、其不足ノ釣合ヲ補ハムガ爲ニ、返ヘス錢。剩錢 補足 寶永落書「六道ノ、辻デつり取レ、四文ヅツ、コノ世デキカヌ、大錢ノハテ」(十文錢ヲ云フ)
(五)相撲ノ手。敵ノま()しニ兩手ヲカケテ、其體ヲ釣リ上グルコト。

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附箋:助数詞 動作 名詞 接尾辞

最終更新:2025年04月19日 17:06