ては

大言海
辞書 品詞 解説 例文 漢字
日本国語大辞典 ( 接続助詞「て」に係助詞「は」が付いたもの。上に来る語によって「では」とも。現在では「て(で)わ」と読んでいる ) 「て」および「は」の用法に応じて、いろいろな意となる。
① ある状態や動きが生ずる前提となる事情を示す。…の事情のもとでは。…した以上は。
伊勢物語(10C前)二「起きもせず寝もせで夜を明かしては春の物とてながめ暮らしつ」
徒然草(1331頃)一「この世にうまれては願はしかるべき事こそ多かめれ」
② 下に打消、または逆接の表現をともない、否定的事情を導き出す条件を示す。 平中物語(965頃)二九「えけしきばみては言はで」
浄瑠璃・曾根崎心中(1703)「怪我があってはならぬ」
③ 仮定の意を表わす。…たならば、…たら。 伊勢物語(10C前)三三「このたびいきては、又は来じと思へるけしきなれば」
洒落本・美地の蛎殻(1779)「てめへなんぞとくらべてはとうしみに釣り鐘だ」
④ 条件に対して常に同じ結果が生ずる事を表わす。…と。 更級日記(1059頃)「鹿の縁のもとまで来てうちないたる。ちかうてはなつかしからぬものの声なり」
徒然草(1331頃)三八「智恵出でては偽あり」
⑤ 対応する動作、事象が反復して起こることを表わす。 蜻蛉日記(974頃)上「生絲のいとを長うむすびて、一つむすびては、ゆひゆひしてひきたてたれば」
広辞苑 (接続助詞テに係助詞ハの添ったもの。条件の提示に用いられる。イ音便の一部・撥音便に続くときは「では」となる)
①仮定の意を表す。…たならば。
源氏物語玉鬘「後に聞き給ひ―、隔て聞えけりとやおぼさむ」。
「死んでは元も子もない」
②くり返し行われることを表す。何回でも…している。 謡曲、松風「寄せ―帰る 片男波 (かたおなみ)」。
「書い―消し、消し―また書く」

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最終更新:2025年05月11日 13:52