なぎ（水葱）

辞書	品詞	解説	例文	漢字
日本国語大辞典	名詞	① 植物「こなぎ（小菜葱）」の古名。	日本書紀（720）天智一〇年一二月・歌謡「み吉野の 吉野の鮎 鮎こそは 島辺も良き え苦しゑ 奈疑(ナギ)の本 芹の本 吾は苦しゑ」	菜葱・水葱
		② 植物「みずあおい（水葵）」の異名。	大乗院寺社雑事記‐明応八年（1499）七月五日「なき仕丁進、百文下行如 レ 例」
広辞苑	名詞	ミズアオヒの古名。〈[季]夏〉。	万葉集16「―の 羹 (あつもの)」	菜葱・水葱
大言海	名詞	〔 菜葱 (ナギ)ノ義ト云フ〕 水草ノ名。み づ (ズ)あ ふひ (オイ)ノ小サキモノ。田ノ中ナドニ生ヒ、一根數葉、初ハつゆくさニ似テ厚ク、深綠ニテ光ル、後、ヤウヤク圓葉ヲ出ス。秋、莖ノ高サ三四寸、五瓣ノ花ヲ連綴ス、大イサ三四分、深碧、或ハ、白色ナリ。蔛菜	倭名抄、十七 十 水菜類「水葱、奈木」 本草和名、上 三十七 「蔛菜、一名、水葱、奈歧」 萬菓集、十六 十八 詠 二 酢、醬、䔉、鯛、水葱 一 歌「 醬酢 (ヒシホス)ニ 䔉 (ヒル)（蒜）ツキ 合 (カテ)テ、鯛ネガフ、吾ニナ見セソ、水葱ノ 煮物 (アツモノ)」 天智紀、十年十二月、童謠「ミエシ野ノ、エシ野ノ鮎、鮎コソハ、シマヘモエキ、エクルシヱ、奈疑ノモト、芹ノモト、吾レハ苦ルシヱ」	水葱
		又、其葉ノ細ソキヲ、 小水葱 (コナギ)ト云フ。花、春咲ク、紫ニシテ美ナリ。 植 (ウヱ) 小水葱 (コナギ)。	萬葉集、三 四十三 「春霞、春日ノ里ノ、 殖 (ウヱ) 子水葱 (コナギ)、苗ナリト云ヒシ、エハ指シニケム」 同、十四 三十 「カミツケヌ、伊加保ノ沼ニ、宇惠古奈宜、カク戀ヒムトヤ、種求メケム」 同、十四 三十五 「苗代ノ、古奈伎ガ花ヲ、衣ニ摺リ、馴ルルマニマニ、 何歟 (アゼカ)悲シケ」
		田ニ植ウレバ、 田水葱 (タナギ)トモ云フ。	催馬樂、田中井戶「田中ノ 井處 (ヰド)ニ、光レルたなぎ、摘メ摘メ 吾子女 (アコメ)」

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附箋：名詞 植物