なく(助動詞)

辞書 品詞 解説 例文 漢字
日本国語大辞典 ( 打消の助動詞「ず」のク語法 )
① …ないこと。
万葉集(8C後)一四・三三六四「足柄の箱根の山に粟蒔きて実とはなれるを逢は奈久(ナク)もあやし」
② 体言止めの一種として、詠嘆の意を表わす。 万葉集(8C後)二・一五八「山振(やまぶき)の立ちよそひたる山清水酌(く)みに行かめど道の知ら鳴(なく)」
[補注]( 1 )打消の助動詞「ず」の古い未然形「な」に体言的接尾語「く」のついたもの。形容詞「なし」の連用形とは別語。
( 2 )動詞の未然形に下接し、文中では体言句を構成し、文末では一種の体言止めとなる。文末では下に「に」のついた「なくに」の形が多い。
広辞苑 (否定の助動詞ズのク語法)…(し)ないこと。 武烈紀「誰やし人も相思は―に」
大言海 助動詞 ()ノ延。 萬葉集、十五 三十四 他國 (ヒトクニ)ニ、君ヲ()マセテ、イツマデカ、吾ガ戀ヒ居ラム、時ノ知ラ奈久」
古今集、一、春、上「深山ニハ、松ノ雪ダニ、消エなくニ、都ハ野邊ノ、若菜摘ミケリ」

検索用附箋:助動詞

附箋:助動詞

最終更新:2025年09月13日 18:55