なす(茄)

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日本国語大辞典 名詞 ( 「なすび」の変化したもの )
① ナス科の一年草。インド原産で、重要な果菜として古くから栽培される。高さ〇・六~一メートル。全体に細毛を密布。葉は長柄をもち、長さ一五~三五センチメートルの卵状楕円形で縁は波状。茎やがくにとげのあるものがある。夏から秋にかけ、先が七~八裂した径約三センチメートルの淡紫色の花が咲く。果実は楕円形・長楕円形・球形などさまざまで、色も紫黒・紅紫・紫・白色など品種によって異なり、煮たり漬けたり揚げたり、さまざまの調理法で食べる。漢名、茄。なすび。《 季語・夏 》
御湯殿上日記‐文明一五年(1483)五月一五日「松木よりなすの小折まいる」 茄子・茄
② ( 形が似ているところから ) 茶入れの一種。口元がすぼみ、胴がふくらんだ形のもので、数少なく、唐物(からもの)の最上品とする。なすび
[語誌]古くはナスビといったが、その語末のビは、アケビ(木通)、キビ(黍)などの植物名に通じるものか。後に、挙例の「御湯殿上日記」などに見られる女房詞の「ナス」が全国的に広まり、近代以降はナスが主流となる。ただ、現在でも西日本ではナスビ、東日本ではナスの形を用いる傾向が見られる。
広辞苑 名詞 (「なすび」とも)
①ナス科の野菜で、栽培上は一年草。インド原産とされ、広く温帯・熱帯で栽培。茎は80センチメートルに達し、葉は卵形。夏・秋に淡紫色の合弁花を葉のつけ根に開く。果実は倒卵形・球形または細長い楕円形で、紫黒色または黄白色、長さ20センチメートル以上になるものもある。食用とする。栽培品種が極めて多く、加茂茄子など各地方に独特のものがある。〈[季]夏〉。→ナス科。
茄子
②茶入れの一種。濃茶を入れるのに用いる陶製小壺で、口元がすぼんで胴のふくらんだもの。 唐物 (からもの)の最上品とされる。
大言海 名詞 (一)なすび(茄子)ノ略。 重修本草綱目啓蒙、廿、菜之部「茄、ナスビ、ナス」
(二)茶入ノ一種。 茶道筌蹄、四、茶入「唐物、往古ハ唐物ノミヲ用ユ、其內、茄子ヲ上品トス」

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附箋:名詞 植物

最終更新:2025年09月15日 12:43