なは(縄・索)

辞書 品詞 解説 例文 漢字
日本国語大辞典 名詞 ① 植物の茎や繊維、紙、化学繊維などをより合わせて細長くしたもの。物を縛ったりつないだりするのに用いる。用途によって太い細いがあり、普通、太いものは綱、細いものは紐(ひも)という。
(イ) 一般的にいう場合。
万葉集(8C後)二〇・四四二九「厩(うまや)なる奈波(ナハ)絶つ駒のおくるがへ妹が云ひしをおきて愛(かな)しも」
説経節・さんせう太夫(与七郎正本)(1640頃)下「あれにつったるかわごは、ふるけれ共、かけたるなわがあたらしし」
(ロ) 罪人を捕えて縛るために特に丈夫にこしらえたもの。はやなわ。捕縄(とりなわ・ほじょう)。比喩的にも用いる。 石山寺本瑜伽師地論平安初期点(850頃)二三「索(ナハ)を擲ぐ」
狂言記・生捕鈴木(1660)「やしんのあるにより、なんぢらまで、なわをかかりゐるよな」
(ハ) 火縄銃を撃つ際、点火のために火をつけるもの。火縄。 雑俳・柳多留‐一八(1783)「縄がなくなって魚蝋で吸付ける」
(ニ) 出産の際に、産婦がとりすがるもの。 雑俳・福寿草(1747)「此度は・縄もとりあへずおぎゃおぎゃおぎゃ」
(ホ) 魚釣りに用いる、針をつけるもの。釣り糸。延縄(はえなわ)。また、それを用いて釣りをすること。 洒落本・仕懸文庫(1791)一「おぢい此ごろはなははどふだの〈長なはのこと〉」
② 犬追物(いぬおうもの)の円形の馬場の二重のなわがこい。外円を大縄、内円を小縄という。
③ 田畑の面積などを測量すること。検地。丈量。また、それに用いるもの。縄入れ。 筑前国続風土記(1703)一「天文十二年日本国中毎国の知行高をしるし、其簿を将軍家に献ず。是を民俗には天文の縄と云」
広辞苑 名詞 ①藁・麻または 棕櫚 (しゅろ)の毛などの植物の繊維を細長く()ったもの。物を結んだり縛ったりするのに用いる。 万葉集6「馬じもの―取り付け」。
「―で縛る」「―をなう」
②「縄入れ」に同じ。
大言海 名詞 綯藁 (ナヒワラ)ノ約略ナラム。(ナホ)ニ通ズ〕
(一){藁、麻、棕梠ノ毛ナドヲ、細長ク()ヒタルモノ。物ヲ、シバルナドニ用ヰル。
倭名抄、十五造作具「繩、一名、索、奈波」
靈異記、下、第一緣、訓釋「紲、ナハ」
字鏡「鋚、紖頭、銅飾、奈波乃波志爾銅乎毛知天加佐禮留曾」
繩・索
(二)繩ニテ、山林、田畠ナドノ面積、廣狹ヲ計ルコト。丈量 筑前國續風土記、一、總論「天文十二年、日本國中、每國ノ知行高ヲシルシ、其簿ヲ將軍家ニ獻ズ、是ヲ民俗ニハ、天文ノ繩ト云」
「繩ヲ打ツ」繩ヲ入ル」天正度ノ繩」繩延ビ」

検索用附箋:名詞物品

附箋:名詞 物品

最終更新:2025年10月04日 14:01