なぶ(靡)

辞書 品詞 解説 例文 漢字
日本国語大辞典 他動詞 なびかせる。なびくようにする。→おしなぶしきなぶ 万葉集(8C後)一七・四〇一六「婦負(めひ)の野のすすき押し奈倍(ナベ)降る雪に宿借る今日しかなしく思ほゆ」
[語誌]( 1 )同じ方向に揃うという意味的共通性から見て、「なぶ(並)」と同源と考えられる。
( 2 )上代における仮名書きの確例は、「おしなぶ」「しきなぶ」など、複合動詞の連用形に限られる。その点、用法の固定化がうかがえ、同義語「なびく」より古形かという。
( 3 )現代語には、文章語として、複合動詞「おしなぶ」に助詞「て」が付いて副詞化した「おしなべて」が残っている。
広辞苑 他動詞 なびかせる。 万葉集1「旗すすき 小竹 (しの)をおし―・ベ」 靡ぶ
大言海 他動詞 ナビカス。ナビカシム。 萬葉集、十七 四十八 「メヒノヌ(ノ、流布本)ノ、薄オシ奈倍、フル雪ニ、宿カル今日シ、カナシクオモホ(ヘ、流)ユ」
動詞活用表
未然形 なべ ず、らゆ、らる、む、じ、さす、しむ、まほし
連用形 なべ たり、き、つ、ぬ、つつ、たし、ても
終止形 なぶ べし、らし、らむ、ましじ、まじ
連体形 なぶる も、かも、こと、とき
已然形 なぶれ ども
命令形 なべよ

検索用附箋:他動詞下二段

附箋:下二段 他動詞

最終更新:2025年10月04日 16:55