なほ(直)

辞書 品詞 解説 例文 漢字
日本国語大辞典 形容動詞 折れ曲がりや曲折のないさま。まっすぐなさま。→なおなおまなお
副詞 ① とり立てて見るべき所のないさまを表わす。特にどうということなしに。平凡に。ありきたりに。 伊勢物語(10C前)三九「天の下の色好みの歌にては猶ぞありける」
② とり立てて言うべき、言動や工夫をしないさまを表わす。何もしないでむなしく。まったく工夫をこらさないで。 万葉集(8C後)七・一三四九「斯くしてや尚(なほ)や老いなむみ雪降る大荒木野の小竹(しの)にあらなくに」
[補注][ 一 ]の実例は「万葉集」に「なおなお」「まなお」の形で見られ、これは形容詞「なほし」の形に発展した。
広辞苑 ①まっすぐであること。まっすぐなもの。 万葉集7「ま―にしあらば何か嘆かむ」
②普通。平凡。なみなみ 伊勢物語「天の下の色好みの歌にては―ぞありける」
③何もしないこと。 土佐日記「かうやうに物もてくる人に―しもえあらで」。
蜻蛉日記中「―あるよりは精進せむとて」
大言海 副詞 (タダ)ニ。ヨノツネニ。常體ニ。アリノママ。モダ。ムダ。 伊勢物語、三十九段「イトアハレナクゾキコユル、云云、天ノ下ノ色ゴノミノ歌ニテハ、なほゾアリケル」
土佐日記、正月四日「 斯樣 (カウヤウ)ノ物持テ來ル人ニ、なほシモエアラデ、イササケワザセサス物モナシ」

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最終更新:2025年10月04日 18:20