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はぎ(萩・芽子)

辞書 品詞 解説 例文 漢字
日本国語大辞典 名詞 ① マメ科ハギ属の落葉低木または多年草の総称。特にヤマハギをさすことが多い。秋の七草の一つ。茎の下部は木質化している。葉は三小葉からなり互生する。夏から秋にかけ、葉腋に総状花序を出し、紅紫色ないし白色の蝶形花をつける。豆果は扁平で小さい。ヤマハギ・マルバハギ・ミヤギノハギなど。はぎくさ。《 季語・秋 》 播磨風土記(715頃)揖保「一夜の間に、萩一根生ひき」
俳諧・奥の細道(1693‐94頃)市振「一家に遊女もねたり萩と月〈芭蕉〉」
② 襲(かさね)の色目の名。また、その色目の衣。夏の萩の襲には、表が青で裏が赤または紫、秋の萩の襲には、表が蘇芳(すおう)で裏は萌葱(もえぎ)。織色では経青、緯蘇芳の表で、裏は青とする。はぎがさね。はぎの衣(きぬ)。 枕草子(10C終)一四三「朽葉の唐衣、薄色の裳に、紫苑・はぎなど、をかしうて」
③ ①を図案化した模様。萩の図柄。 橋づくし(1956)〈三島由紀夫〉「花柳界では一般に、夏は萩、冬は遠山の衣裳を着ると、妊娠するといふ迷信がある」
④ 紋所の名。①の花・葉・枝を図案化したもの。抱き萩、萩の丸などがある。
おはぎ。ぼたもち。萩の餠。 雑俳・桜がり(1730)「うまいもの・宮城野よりも重の萩」
⑥ 花札で、七月を表わす札。萩に猪の図柄の一〇点札と、萩に短冊の五点札各一枚および萩の図のみの一点札二枚がある。
[語誌]( 1 )「秋はぎ」とも呼ばれるように秋を代表する植物で、「万葉集」では秋の七草の筆頭に挙げられ、植物を詠んだ中で最も歌数が多い。もと「芽」「芽子」と表記された。
( 2 )平安時代以降、鹿、露、雁、雨、風などと組み合わせて、花だけでなく下葉や枝も作詠の対象となり、歌合の題としても用いられた。特に鹿や露との組み合わせは多く、「鹿の妻」「鹿鳴草」などの異名も生まれた。一方、露は、萩の枝をしなわせるありさまや、露による花や葉の変化などが歌われ、また、「涙」の比喩ともされ、「萩の下露」は、「荻の上風」と対として秋の寂寥感を表現するなどさまざまな相をもって詠まれた。
( 3 )「古今‐恋四」の「宮木野のもとあらのこはぎつゆをおもみ風をまつごと君をこそまて〈よみ人しらず〉」などから、陸奥の歌枕の宮城野との結びつきが強い。
広辞苑 名詞 ①マメ科ハギ属の小低木の総称。高さ約1.5メートルに達し、叢生。枝を垂れるものもある。葉は複葉。夏から秋、紅紫色または白色の蝶形花を多数総状につけ、のち(さや)を結ぶ。種類が多い。鑑賞用、また、家畜の飼料。普通にはヤマハギ・ミヤギノハギを指す。秋の七草の一つ。胡枝花。〈[季]秋〉。 万葉集15「秋の野をにほはす―は咲けれども」 萩・芽子
(かさね)の色目。表は 蘇芳 (すおう)、裏は青。秋に用いる。
③紋所の名。ハギの葉・花・枝にかたどったもの。
大言海 名詞 (ハエ)()ノ意。宿根ヨリ芽ヲ生ズレバナリ、故ニ芽子ノ字ヲ用ヰル。き(芽)ノ條ヲ見ヨ〕
(一)(マメ)科ノ灌木ノ名。山野ニ自生シ、又、多ク庭際ニ植ヱテ花ヲ賞ス。莖、根ヨリ叢生シ、高サ五尺餘ニ達シ、枝長ク、末、垂リテ地ヲ蔽フ。葉ハ、一椏三葉ニシテ、棗ノ葉ニ似タリ。又、なんてん(南天燭)ノ若葉ニ似テ、尖ラズシテ、ヤハラカナリ。秋、小サキ蝶形花ヲ着ク、淡紫色ナリ、白キモアリ。秋ノ七草ノ一トス。タマミグサ。ツキミグサ。ネザメグサ。ニハミグサ。ノモリグサ。ハナヅマ。胡枝子
倭名抄、廿 十五 草類「鹿鳴草、萩、波木」
大和本草、七、花草類「天竺花、ハギ、花史云、觀音菊、天竺花是也、五月開至七月、花頭細小、其色純紫、枝葉如嫰柳、其幹之長與人等」
書言字考節用集、六、生植門「萩、ハギ、萬葉、用芽子字、今案、萩、蒿之類也、本朝俗、以天竺花萩、謬來舊矣」
天治字鏡、七 廿三 「萩、波支、蕭類也」
爾雅、釋草篇「蕭、萩」疏「李巡云、萩、一名、蕭」
萬葉集、二 十六 「吾妹ニ、戀ヒツツアラズバ、 秋芽 (アキハギ)ノ、咲キテ散リヌル、花ニアラマシヲ」
同、同 四十四 「高圓ノ、野邊ノ秋芽子、イタヅラニ、サキカ散ルラム、見ル人無シニ」
同、十九 三十一 「朝霧ノ、タナビクタヰニ、鳴ク鴈ヲ、留メ得テムヤ、吾ガ宿ノ 波義 (ハギ)
續後紀、三(仁明)、承和元年八月庚寅「上內宴淸涼殿、號曰芳宜華讌
孕常盤(寳永、近松作)四「秋モ半ノ萩ノ聲、籠飼ノ蟲ノ色色ニ、音ヲ出ス萩桔梗」
萩・芽子
(二)(カサネ)ノ色目ノ名。表、蘇芳、裏、靑ナルモノ。

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附箋:名詞 植物

最終更新:2026年03月01日 15:32