ゐ(藺)

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日本国語大辞典 名詞 イグサ科の多年草。各地の湿地に生え、また、岡山、広島、熊本などの諸県で水田に栽培もされる。高さ六〇~一二〇センチメートル。地下茎は泥中を横にはい、茎を密に直立させる。茎は円柱形で表面は緑色、内部に白い髄がある。葉は退化し、茎の下部にさや状鱗片(りんぺん)となって付く。茎を刈って畳表、花むしろ、笠、草履などを作り、また、茎の髄は昔、灯心に用いられた。あかりも。とうしんそう。いぐさ。《季・夏》 〔新撰字鏡(898‐901頃)〕
※俳諧・猿蓑(1691)五「昼ねぶる青鷺の身のたふとさよ〈芭蕉〉 しょろしょろ水に藺のそよぐらん〈凡兆〉」
広辞苑 名詞 イグサ科の多年草。湿地に自生。また水田に栽培。地下茎をもつ。茎は地上約1メートル、中に白色の髄がある。葉は退化し、茎の基部で褐色の鞘となる。5〜6月頃、茎の先端に花穂をつけ、その上部に茎のように伸びるのは苞。花は小さく緑褐色。茎は畳表・ 花筵 (はなむしろ)、髄は 灯心 (とうしん)とする。イグサ。トウシンソウ。〈[季]夏〉 〈新撰字鏡7〉
大言海 名詞 〔席ニシテ()ル意カト云フ〕
又、サギノシリサシ。延シテ、ゐい 燈心草 (トウシンサウ)科ノ草本ノ名。原野ノ濕地ニ生ズ。葉ハ、圓莖ノ如ク、甚ダ直ク長ク、三四尺ニ達シ、密ニ叢生ス。夏、莖ノ上部ニ花梗ヲ出シ、分岐シテ淡褐色ノ細花、簇リツク。刈リテ席ニ織リ、又、笠ナドニ編ム。ノススキソロヰ。トウシンサウ。又、ヰグサ。ほそ()(細藺)、ふと()(太藺)、アリ。
倭名抄、廿 廿二 草類「藺、爲、鷺尻刺、似(オホヰ)而細堅、宜席」
名義抄「藺、ヰ、ヰクサ」
字鏡 五十七 「藺、知比佐支井」

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附箋:名詞 植物

最終更新:2023年09月15日 15:32