ゑ(餌)

辞書 品詞 解説 例文 漢字
日本国語大辞典 名詞 ① 鳥、獣、虫、魚などに与えて飼育するための食物。また、生きものをおびき寄せて捕える目的で用いる食物。えさ ※書紀(720)神功摂政前(北野本訓)「是に皇后(きさいのみや)針を勾(ま)げて鈎(ち)を為(つく)り粒(いひぼ)を取りて餌(ヱ)に為(し)て」
※高野本平家(13C前)六「かつらの鵜飼が鵜の餌(ヱ)にせんとて、亀をとって殺さんとしけるを」
② 人を誘惑するために与える金銭や利益など。えさ
③ 他の欲望、暴力などの犠牲。えじき。 ※近世紀聞(1875‐81)〈染崎延房〉八「我が隊長をやみやみと賊徒の餌(ヱ)とする事なかれ」
[語誌](1)上代から「動物の食料」を意味するものとして広く用いられたが、中世以降、「えば」が使われることも少なくなかった。
(2)江戸中期には、①の意では「えさ」、③の意では「えじき」が現われ、意味領域が分割され固定化された。この結果、多くの場合、「え」は、これらの語彙の文章語となったり、複合語として残るなどした。
広辞苑 名詞 えさ 徒然草「堂の内まで―をまきて」。
「―をあさる」「すり―」「まき―」
大言海 名詞 (一)鳥、獸、蟲、魚、ナドヲ誘フ食。又、ソレ等ヲ飼フタメノ食物。ヱサヱバヲギヱ。ヱジキ。(人ニモ云フ)ウチカヒ。(犬、鷹ニ) 倭名抄、十五畋獵具「餌、惠、以食誘鳥魚也」
神功攝政前紀「勾針爲鈎、取粒爲()
源順集「ゑゴヒスル、君ガハシタカ、シモガレノ、野ニナ放チソ、早ク手ニスヱ」(首尾ニゑヲ詠メル歌)
(二)轉ジテ、人ヲ誘ヒ招クタメニ提供スル金錢、利益、ナドノ稱。 漢書、賈誼傳「適足以餌大國耳」

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最終更新:2024年05月08日 19:04