あか(垢)

辞書 品詞 解説 例文 漢字
日本国語大辞典 名詞 [一] 体や物についたよごれ。
① 汗、脂(あぶら)などの皮膚からの分泌物と、ほこりや、ごみなどが入り混じったよごれ。
※書紀(720)崇峻即位前(図書寮本訓)「万(よろづ)の衣裳(きもの)弊(や)れ垢(アカツキタリ)」
※滑稽本・浮世風呂(1809‐13)二「大概(てへげへ)で能(いい)ことさ、垢(アカ)だっても毎日(めへにち)出る者(もん)でねへ」
② 水中の不純物が底に沈み、固まりついたもの。水垢。湯垢。 ※守護国界主陀羅尼経平安中期点(1000頃)三「水の垢(アカ)を滌いで浄くして余り無きがごとく」
③ (一)①を流すこと。風呂などで体を洗うこと。 ※平治(1220頃か)中「金王丸御剣を持ちて、御あかに参りければ、すべてうつべきやうぞなき」
[二] 比喩的に用いる。
よごれけがれ。特に仏教で用い、煩悩とほぼ同意で、身体に宿る種々の俗念や欲望などをさしていう。
※梁塵秘抄(1179頃)二「常の心の蓮(はちす)には、三身仏性おはします、あかつき穢(きたな)き身なれども、仏に成るとぞ説いたまふ」
② (一般的に)欠点。洗練されていないところ、整っていないものをいう。→垢が抜ける ※風姿花伝(1400‐02頃)六「能に嵩(かさ)も出で来、あかも落ちて、いよいよ名望も一座も繁昌する時は」
③ 少ない、または、小さいもののたとえにいう。ほんの少し。 ※千鳥(1906)〈鈴木三重吉〉「今に藤さんの話は垢程も書いては来ない」
広辞苑 名詞 ①活力を失った皮膚の表皮や脂・汗・ほこりの混合したもの。比喩的に、けがれよごれ 万葉集20「着せし衣に―着きにかり」。
「―を落とす」「心の―」
②水中の有機物が器物に付着したもの。 「水―」
③1を流すこと。 平治物語「御―に参りければ」
④(能楽用語)欠点。 風姿花伝「能に(かさ)も出で来、―も落ちて」
大言海 名詞 〔倭訓栞、あか「垢ヲ()ムハ、 汗氣 (アセカ)ノ義ナルベシ」又、或ハ、(アカ)ノ義、(ケガレ)ヲ忌ミテ、反對ニ云ヒシ語ナラムカ、(イナ)(否)ヲ()(ヨシ)(ナシ)(無)ヲありのみト云フ類〕
(一){(アブラ)(アセ)ナドノ、(ホコリ)(ヨゴ)レテ、膚ニツキ居ルモノ。一轉シテ、ケガレヨゴレ
萬葉集、十 廿七 「君ニ逢ハズ、久シキ時ヨ、織ル機ノ、 白𣑥衣 (シロタヘゴロモ)、垢ヅクマデニ」
元亨釋書、十八、皇太后光明子「建溫室、令貴賤取 一レ 浴、后又誓曰、我親去千人垢
新續古今集、八、釋敎「搔キ流ス、(ノリ)ノ水コソ、ウレシケレ、心ノあかヲ、ススグト思ヘバ」
(二)水ヨリ生ジテ、物ニツク(カス)(コケ)ノ如キモノ。 「水あか」()ノあか」(硫黃)鐵瓶ノ湯あか」

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最終更新:2023年09月22日 21:06