あぜ(何)

辞書 品詞 解説 例文 漢字
日本国語大辞典 副詞 ① 上代東国方言。
(イ) 疑問の意を表わす。なぜ。どうして。→あぜか
※万葉(8C後)一四・三四六一「安是(アゼ)と言へかさ寝に逢はなくに真日暮れて宵なは来なに明けぬ時(しだ)来る」
(ロ) いかに。どのようにして。 ※万葉(8C後)一四・三五一七「白雲の絶えにし妹を阿是(アゼ)為(せ)ろと心に乗りて許多(ここば)かなしけ」
② 近世の用法。
(イ) なぜ。どうして。どういうわけで。
※物類称呼(1775)五「なぜと云事を〈略〉総州及東奥にて、あぜといふ」
(ロ) (感動詞のように用いて) あれまあ、なんとまあ、おや、というような軽い驚きと疑問の意を表わす。 ※洒落本・道中粋語録(1779‐80頃)「『アイそんなら。コレサかるく盛てくんな』『アゼひだるいといはっしゃりましたじゃアおざんねへか』」
[語誌](1)「万葉集」では、巻一四の東歌にのみその用例が確認され、「あど」と同様、東国語と考えられる。以降、「物類称呼」まで、文献資料には用例を見出しがたい。
(2)近世になると、洒落本「道中粋語録」、滑稽本「東海道中膝栗毛」、咄本「蝶夫婦」などに見られるが、東国の方言として扱われている。
広辞苑 副詞 (上代東国方言)
なぜ。どうして。
万葉集14「わがせなは―そも今宵寄しろ来まさぬ」
②どのように。いかに。 万葉集14「―せろと心にのりてここば悲しけ」
大言海 副詞 あぞ(何)ノ語原ヲ見ヨ〕
何故ニ。アゾナンゾナゼ。今モ、安房ニテ、あぜト云フ。
萬葉集、十四 廿一 (ユフ)()ニモ、 今宵 (コヨヒ)()ラロ、我ガ 夫奈 (セナ)ハ、 阿是 (アゼ)ゾモ今宵、(ヨシ)()マサヌ」
同卷 廿七 安是 (アゼ)カ絕エムト、言ヒシ 兒呂 (コロ)ハモ」

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最終更新:2024年05月06日 19:13