あめ(飴)

辞書 品詞 解説 例文 漢字
日本国語大辞典 名詞 ① 米、あわ、いもなどの澱粉質を糖化させた、粘りけのある甘い食品。水飴、固飴など、いろいろの種類がある。たがね ※正倉院文書‐天平一〇年(738)月日・但馬国正税帳「𥼷〈阿米〉料米壱升 充稲弐把」
※俳諧・曠野(1689)員外「はづかしといやがる馬にかきのせて〈落梧〉 かかる府中を飴ねぶり行く〈野水〉」
② 「あめいろ(飴色)」の略。 ※観智院本三宝絵(984)中「其夜乞食の夢にあめなる牛きたりて云」
③ うそをつくこと。うまいことを言ってだますこと。→飴を舐(ねぶ)らせる ※新撰大阪詞大全(1841)「あめとは、たぶらかすこと」
④ 人を喜ばせ、乗り気にさせるもののたとえ。 ※現代経済を考える(1973)〈伊東光晴〉III「その実現を促進するためのアメとして、補助金政策をある程度くみこむことは」
[語誌](1)「千歳飴(ちとせあめ)」のように口の中でなめて溶かす固飴、「すはま」「求肥飴(ぎゅうひあめ)」のような柔らかい練り菓子など多様であるが、江戸時代以降粘りけのある褐色の水飴(江戸時代の上方では「汁飴(しるあめ)」)が一般的で、「飴状」「飴色」などの「飴」も水飴のことである。
(2)砂糖で作るものは西洋で発達し、南蛮菓子として一六世紀末にポルトガルなどから伝えられたが、「コンペイ糖」「アルヘイ糖」のように多く「糖」の字が用いられ、「飴」とは区別されていた。「たがね」は「あめ」の古語だが、餠の類とする見方もある。
広辞苑 名詞 ①澱粉または米・ 甘藷 (かんしょ)などの澱粉含有原料を麦芽・酸で糖化させた、甘味のある粘質の食品。淡黄色で透明であるが、品質の低いものは黒褐色。また、砂糖を煮つめて製したものもいう。古く「糖」「餳」とも書く。たがね
②飴色の略。
大言海 名詞 〔日本釋名(元祿)下、飮食、(アメ)「あめハ、あま也、あまき意、めト、まト通ズ」俗語考(橘守部)あめ、あまめ「飴也、云云、田舍人ノ、あまめトモ云フコトノアルヲ思ヘバ、 甘滑 (アマナメ)ノ約レル言ナルベシ、云云、味噌豆ヨリ出ル(ナメ)ヲ、直ニなめト云フ類也」又、或ハ、(アマ)()ノ約轉カ、(雨ノ、(アマ)()ノ約轉)沖繩ニテハ、あみト云フ〕
食物ノ名。今ノ製ハ、もちごめヲ蒸シテ、熱氣アル中ニ、大麥ノもやしノ粉ヲ入レテ榨リ、其汁ヲ、釜ニテ煮ツメテ成ル。古ヘ砂糖ナキ時代ニハ、專ラ甘味ノ料トシタリ。(靜岡縣ニテハ、今モ、菓子ヲあめト云フ)其甚ダユルキヲ、水あめ、又、(シル)あめ、ト云フ。濕飴
再ビ煉リテ、油ヲツケテ、引キタタムコト、數次ニシテ固クナセルヲ、(カタ)あめト云フ。古名、タガネ
字鏡 三十 「餳、飴也、阿女、糖、阿米」
本草和名、下 四十一 「𥹋糖、膠𥹋、濕𥹋、如厚蜜者、阿女」
倭名抄、十六 十六 「飴、米 糵煎 ()也、阿女」
文德實錄、二、嘉祥三年七月「石見國獻甘露、味如飴餹

検索用附箋:名詞食物

附箋:名詞 食物

最終更新:2024年05月06日 19:51