あれ(荒)

辞書 品詞 解説 例文 漢字
日本国語大辞典 名詞 (動詞「あれる(荒)」の連用形の名詞化)
① 土地、建物などがいたむこと。荒廃。また、荒地のこと。
※東寺百合文書‐に・永享八年(1436)一一月一〇日・丹波大山荘一井谷百姓等申状「西田井事、是又皆荒にて、御下地に主もなく候間」
② 勢いはげしく動きまわること。あばれること。 ※俳諧・ひさご(1690)「のみに行(ゆく)居酒(ゐざけ)の荒(あれ)の一𮪚(さわぎ)〈乙州〉 古きばくちののこる鎌倉〈野径〉」
※別れ霜(1892)〈樋口一葉〉一四「鼠の荒(ア)れにも耳そばだてつ」
③ 天候がおだやかでないこと。あらし。暴風雨。 ※蔭凉軒日録‐文明一九年(1487)二月一一日「早旦暴雨迅雷、実今日初午之荒也」
※魔風恋風(1903)〈小杉天外〉後「おやおや、此の風雨(アレ)にまア、何処へお出ででしたい?」
④ 皮膚に脂肪が欠乏してきめのあらくなること。 ※故旧忘れ得べき(1935‐36)〈高見順〉八「皮膚の荒れや弛み」
⑤ 書画の幅物、巻物などの絹張りや紙面が汚れ損じていること。
⑥ 試合中、勝敗の形勢の変化がはげしいこと。
⑦ 歌舞伎で、荒れ場の演技。英雄豪傑や鬼神などが怒り荒れ狂う所作をいう。 ※滑稽本・古朽木(1780)一「四ノ口の荒(アレ)の場がどうしてかうしてと」
⑧ 相場などがはげしく不規則に変動すること。 ※家族会議(1935)〈横光利一〉「昨日の荒で痛手を受けた東京方の、追証の払へるのを待って」
広辞苑 名詞 ①荒れること。また、あばれること。
㋐はげしい風雨・波浪。
荒れ
㋑皮膚のきめのあらくなること。はだあれ
②歌舞伎で、神仏や武人が荒れ狂った演技をすること。→荒事 (あらごと)荒場 (あれば)
大言海 名詞 雨風ノ、荒レスサブコト。オホアレ。暴風 (アラシ)ノ條ヲ見ヨ。暴風雨 「二百十日ノあれ」八朔ノあれ」

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最終更新:2023年11月03日 19:48